対象が住民税非課税世帯とされている給付金はよくあります。この住民税非課税世帯とは、どのくらいの年収の世帯があてはまるのでしょうか。
今回は住民税が非課税になる年収の目安を紹介します。
また、2021年から未婚のひとり親の住民税非課税制度が始まっています。対象になる人もいるでしょう。ひとり親家庭の生活の実情とあわせて、住民税非課税制度についてみていきます。
住民税が非課税になる年収の目安はいくら?
地方税の1つである住民税は、前年の所得に対して課税される「所得割」と、個人に均等に課税される「均等割」の2つからなります。
- 所得割:前年の所得に対して10%の税率で課税
- 均等割:道府県民税1500円、市町村民税3500円の計5000円が課税
この所得割と均等割が非課税になれば住民税非課税ということになりますが、その年収の目安はいくらなのでしょうか。
住民税非課税になる年収は地域によっても多少違いがありますが、ここでは参考に東京都の場合をみていきます。東京都では、次の場合は住民税非課税です。
【独身の場合】住民税非課税の条件
合計所得が45万円以下
【被扶養者がいる場合】住民税非課税の条件
合計所得が35万円×(本人+被扶養者の人数)+31万円以下
注意したいのは、公表されているのが収入ではなく「合計所得」であることです。収入から経費を差し引いたものが所得ですが、会社員などの場合、経費の代わりに「給与所得控除」を差し引くことができます。
国税庁では、給与所得控除の金額を以下のように定めています。
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出典:国税庁「給与所得控除」
住民税非課税になる合計所得と給与所得控除がわかったところで、今度は具体的に目安になる年収をみてみましょう。
【独身の場合】住民税非課税の年収
東京都では、合計所得が45万円以下だと住民税非課税です。55万円の給与所得控除が受けられるわけですから、年収が100万円以下であれば住民税非課税になります。
【被扶養者がいる場合】住民税非課税の年収
会社員、専業主婦、子ども1人の世帯
合計所得が136万円(35万円×3人+31万円)以下で住民税非課税です。69万円5000円の給与所得控除が受けられるため、年収が205万円以下であれば住民税非課税になります。
205万円-69万5000円=135万5000円
会社員、専業主婦、子ども2人の世帯
この場合、合計所得が171万円(35万円×4人+31万円)以下であれば住民税非課税になります。給与所得控除は84万5000円ですから、住民税が非課税になる年収の目安は255万円です。
- 255万円-84万5000円=170万5000円
未婚のひとり親も住民税非課税制度が利用できる
ここまで、住民税非課税になる年収の目安を紹介してきました。実は、住民税が非課税になる場合がまだあります。東京都では、さらに次の場合住民税が非課税になると定められています。
- 生活保護法による生活扶助を受けている人
- 障害者・未成年・ひとり親、寡婦(寡夫)の人で前年の合計所得が135万円以下の人
2020年まで、婚姻歴がある場合に受けられる寡婦(夫)控除が、未婚のひとり親には適用されませんでした。しかし不公平であるとして税制が見直され、未婚のひとり親への住民税非課税制度が始まっています。
対象になるのは、児童扶養手当の支給を受けている婚姻歴のないひとり親です。合計所得が135万円以下(給与収入204万4000円未満)であれば住民税非課税となります。
ひとり親の生活の実情は?住民税非課税制度を利用しよう
ここで、ひとり親の生活の実情をみていきます。参考にしたいのは、厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」です。
調査の「貧困率の状況」によると、大人が1人の世帯は、48.1%が貧困線に満たない相対的貧困にあてはまるとされています。
相対的貧困とは、一般的な生活水準と比較したときに貧困なことを指しますから、ひとり親世帯のおよそ半分近くが比較的に苦しい生活状況であると言えます。
また同調査の「生活意識の状況」では、母子家庭の86.7%が「苦しい」という結果になっています。
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出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」
比較的生活が苦しいひとり親にとって、住民税非課税制度は利用したい制度です。住民税が非課税になれば、税金がかからないだけでなくさまざまな優遇措置が受けられます。
例えば住民税非課税世帯は、0~2歳の子どもの保育料は無料です。さらに大学無償化制度も利用できますし、国民健康保険の保険料も軽減されるのです。
対象になる人は、申告を忘れないようにしましょう。
【住民税非課税世帯】年末調整や確定申告に注意
今回は住民税が非課税になる年収の目安をみてきました。
またひとり親は、合計所得が135万円以下であれば住民税非課税です。これまで控除があった婚姻歴のある人だけでなく、未婚のひとり親も利用できますので、対象になる人は注意しましょう。
年末調整や確定申告の際に、申告を忘れないようにしてください。
参考資料
渡辺 身衣子
