1. 厚生年金と国民年金はどう受け取るのか
厚生年金や国民年金といった公的年金は、基本的に65歳から受給が開始します。誕生日の3ヵ月前になると「年金請求書」が届くので、必要事項を記入して申請する流れです。
ただし、65歳よりも後に受給開始年齢を遅らせることで、受給額を増やすことができます。これを年金の繰下げ受給といいます。
厚生労働省の「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、実際に繰下げ受給を選択した人はここ数年数%台しかいないことがわかりました。
1.1 繰下げ受給で増額できる金額はいくらか
繰下げ受給をする場合、1ヵ月受給を遅らせるごとに0.7%増額されます。
わかりやすいように、1年ごとの増額率を見てみましょう。
- 66歳0ヵ月:8.4%
- 67歳0ヵ月:16.8%
- 68歳0ヵ月:25.2%
- 69歳0ヵ月:33.6%
- 70歳0ヵ月:42%
- 71歳0ヵ月:50.4%
- 72歳0ヵ月:58.8%
- 73歳0ヵ月:67.2%
- 74歳0ヵ月:75.6%
- 75歳0ヵ月:84%
2022年4月からは、最大で75歳まで繰下げられるようになりました。この場合、なんと84%もの増額になります。仮に月額15万円の場合、27万6000円に増えるということです。
知らなければ損してしまう制度ですよね。ただし、繰下げ受給には注意したい点もあります。