2. 公的年金を繰下げ受給するときの注意点

受給額が増える繰下げ受給ですが、注意点もあります。ここでは主なものを3つご紹介します。

2.1 税金や保険料も増えて手取りはあまり増えないかも

年金からは税金や保険料が引かれます。年金額があがれば、当然引かれる金額も増えるため、「額面が増えたのに手取りはあまり増えなかった」ということもありえます。

2.2 加給年金が受け取れない

加給年金とは年金の扶養手当にあたるもので、条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に上乗せされる年金のことです。

繰下げ受給を選択すると、これらの加給年金が受け取れなくなるわけですから、両者をしっかりシミュレーションすることが大事になります。

2.3 年金受取までの収入確保が必須

年金の受給開始を遅らせるということは、それまで無収入になるということです。貯蓄を切り崩すのは避けたいので、働き続けることが重要になるでしょう。

上記以外にもデメリットはあります。例えば、長生きしなければ損になるという点が気になる方もいるでしょう。

注意点を知った上で繰下げ受給を選択しないのはいいのですが、知らないままに利用できなければ、後悔する原因になります。受け取り方は予め考えておきましょう。