ドルの値上がりは貿易と投資と投機による

ドルが値上がりしている理由は3つあります。

一つは輸入代金の支払いです。石油代金を払うために石油会社が銀行でドルを買うわけですが、原油高によってドルを買う量が増えているので、ドルが値上がりしているのです。

日本の貿易収支や経常収支がマイナスになったという報道がありましたが、輸出企業が銀行で売っているドルよりも石油会社などが銀行で買っているドルの方が多い、というわけですね。

二つ目は、アメリカの金利が上がっているので、アメリカの国債を買ったりアメリカの銀行に貯金をしたりする人が多い、ということです。

アメリカの国債を買うには、円をドルに替える必要がありますから、銀行でドル買い注文が増えるわけですね。

アメリカの金利が上がっている理由は、アメリカがインフレになっているからです。日本でも物価が値上がりしていますが、アメリカの物価上昇率は日本より遥かに高いので、アメリカでは金利を高くして景気を抑制して物価上昇を抑えよう、という事になっているわけです。

3つ目は、再び投機です。ドルが値上がりすると思えばドルを買っておき、値上がりしたら売ろうと思って待っている、という人が多いので、そうした人のドル買いがドルを値上がりさせているというわけですね。