2月12日を迎え、暦の上では春の兆しを感じる時期となりましたが、明日13日は今年最初の年金振込日です。
人生100年時代と言われる今、長生きする分、老後のお金の不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
60歳以上を対象とした最新の政府調査の結果では、約6割が「貯蓄を取り崩しながら生活している」と回答しており、多くの人が現役時代に築いた資産を頼りに生活しているのが現実です。
経済的な不安を感じずに豊かな老後を送るためには、計画的な資産準備が欠かせません。
そこでこの記事では、「50歳から65歳までの15年間で2000万円の資産を作る」という具体的な目標を設定し、NISA制度を活用したシミュレーションと、NISA制度のポイントを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
1. 2000万円達成のシミュレーション
まず、15年間で資産2000万円を達成するシミュレーションを、平均利回り3%の条件で行ってみましょう。
月々9万円の積み立てをした場合、結果は以下の通りとなり、2000万円を達成できます。
- 投資元本:1620万円
- 運用収益:416万円
- 最終資産:2036万円
もし利息や利益のない貯金だけで2000万円を達成させようとすると、毎月9万円(年間108万円)を積み立てても約19年が必要になります。しかし、今回のシミュレーションで示したように、年利3%で資産運用を行うことができれば、その期間を4年間も短縮し、15年で目標に到達することが可能です。
もちろん、投資の利益は保証されたものではなく、経済状況によって運用成果は変動します。しかし、長期的に投資を継続することで、資産形成のスピードを大きく早められる可能性があることは確かです。
2. 新NISA制度「つみたて投資枠」のポイント
今回のシミュレーションは、新NISA制度の「つみたて投資枠」を使用したものとして計算をしています。そこでここからは、NISA口座が一般口座とどのような違いがあるのか、主なポイントをご紹介します。
2.1 運用利益が非課税
新NISA制度の最大の魅力は、決められた範囲内であれば、投資による利益に対して一切の税金がかからないことです。
原則として、株式や投資信託の売却益や分配金には約20%の税金が課税されますが、NISA口座内での取引であればこれが免除されます。
例えば、100万円の投資が5年間で150万円に成長した場合、通常なら利益の50万円に対して約10万円の税金がかかり、手取りの利益としては40万円ほどに目減りしてしまいます。しかしNISA口座を利用すると、投資利益50万円をそのまま手元に残すことができるのです。
非課税にできる金額は上限額が設定されており、積立投資を行うための「つみたて投資枠」であれば、年間120万円(月額10万円)です。この「投資枠」は最終的な資産ではなく、当初の購入金額を指します。そのため、投資をした金額がどれだけ利益を膨らんだとしても、元本が枠内の投資であれば、全ての利益が非課税となります。
長く積み立てるほど複利効果が働き利益が大きくなりやすいため、非課税によるメリット効果は大きくなりやすいです。
2.2 保有期間に制限がない
現行の新NISA制度は2024年に開始されましたが、それ以前のNISA制度との大きな違いとして、投資した商品を無期限で保有できる点が挙げられます。
従来の制度である「つみたてNISA」では、非課税期間が20年間に限定されており、保有期間がそれを超えると自動的に課税口座に移管されてしまうため、20年の間に売却をする必要がありました。
しかし、新制度では一度購入した商品は期間の制限なく、売却するまで非課税のメリットが受けられます。老後資金や子どもの教育資金など、20年以上先を見据えた長期的な資産形成が可能となるため、売却のタイミングを柔軟に決められる点は、投資初心者にとっても大きなメリットと言えます。
2.3 投資初心者向けの商品が多い
新NISAの「つみたて投資枠」で購入できる商品は、金融庁が定めた基準を満たすものに厳選されています。その中心となるのは、特定の経済指標(インデックス)と連動して値動きをするインデックスファンドです。
インデックスファンドは、市場全体の動きに連動するため、大きなリターンは期待しにくい一方、値動きが比較的安定しているのが特徴です。多数の銘柄への分散投資が基本となるため、過度なリスクを避けやすいというメリットがあります。長期的な視点で見れば、経済成長とともに資産価値の上昇も期待できるでしょう。
したがって、長期的に投資を続けることで、元本割れのリスクを大きく低減させることができます。新NISA制度のつみたて投資枠ではこのように、一定の安全性を考慮された商品が中心となって用意されているため、投資経験のない方でも安心して資産形成の第一歩を踏み出せます。
2.4 長期・積立・分散が意識されている
新NISAの「つみたて投資枠」は、資産形成における重要ポイント「長期・積立・分散」を押さえ、安定的にご自身の資産を育てていくことを目的としています。前述した新NISA制度の特徴が、3つのポイントをどのように後押しするのかを以下にまとめてみます。
- 【長期】時間を味方につける制度 制度が恒久化され、非課税期間が無期限になったことで、売却タイミングを気にせず長期的な視点で資産を育てられます。
- 【分散】自然とリスクを抑える商品 金融庁が厳選した、1本で多くの国や企業に投資できる商品が中心のため、選ぶだけで自然とリスクの分散ができます。
- 【積立】年間の上限額を定め、毎月コツコツ買い続ける積立を基本とすることで、高値掴みのリスクを減らし、安定した資産形成を後押しします。
3. おわりに
人生100年時代、50歳は資産形成のラストスパートではなく、新たなスタートラインです。シミュレーションでご覧いただいたように、計画的に積立投資を行えば、15年で2000万円という目標も決して非現実的ではありません。
「今から始めても間に合うのか」と不安を感じている方こそ、新NISA制度を活用した資産形成を検討してみてください。まずは実際に行動に移すことが、豊かなセカンドライフの一歩になるはずです。
参考資料
斎藤 彩菜