原油高などの海外要因で値上がりしているので、国内は皆が苦しい

私たちの生活が苦しいのは、電気代等が上がっているのに給料が上がっていないという事が主な原因です。景気が良く無いので、給料が上がらないのです。

景気が良くて売り手が強気になって値上げをしているのであれば、売り手が儲かっていますし、給料も上がるかも知れませんが、そうでは無いので、給料が上がらない、というわけですね。

会社も苦しいです。輸入するコストが上がっているので、その分を値上げしたいのですが、そっくり値上げすると売り上げが大きく落ち込んでしまうリスクがあります。

そのため、たとえばコストが上がった分の半分だけを値上げして、残りの半分は自分たちの利益を犠牲にすることで我慢しよう、といった事が行われているのです。したがって、賃上げする余裕がない、ということですね。

私たちが苦しくても、日本国内で誰かが儲かっているのであれば、まだマシです。たとえば儲かっている人が税金を払えば日本政府の財政赤字が減るからです。しかし、今はアラブの王様が消費税を値上げしたのと同じような事になっているため、日本政府の税収も増えていないのです。

もっとも、日本経済への影響という点では、原油価格などの値上がりとドルの値上がりを分けて考えた方が良いでしょう。

原油価格などの値上がりは、アラブの王様が消費税を値上げしたようなものですから、日本国内で儲かる人はいませんが、ドルの値上がりの方は、輸入企業や輸入製品を買う消費者が苦しんでいる一方で、輸出企業は受け取った輸出代金のドルが高く売れて儲かっているのです。

その意味では、とにかく原油価格等は下がって欲しいですが、ドルについてはそれほどでもありません。読者の中にも、老後資金の一部をドルや外国株式で持っている人がいるかも知れません。

そうした人は、ドルが値上がりして生活費の値上がり分を補ってくれているかも知れませんし。

本稿は、以上です。なお、本稿は厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。

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塚崎 公義