日産自動車(7201)が2017年3月期決算を発表。2018年3月期の会社予想はやや期待外れだが、上ブレ余地は残る。株価に対して「中立」な印象。
決算ハイライト
2017年3月期実績は、売上高が対前期比▲4%減、営業利益が同▲6%減、親会社株主に帰属する当期純利益が同+27%増となった。従来の会社予想を上回る着地となったが、大きなサプライズはない。年間を通してみれば、円高の影響を吸収し切れなかった模様だ。なお、最終損益が大幅増益となったのは、関係会社株式売却益の計上によるものである。
2018年3月期の会社予想は、108円/ドルを前提に、売上高が対前期比+1%増、営業利益が同▲8%減、親会社株主に帰属する当期純利益が同▲19%減。なお、上期の会社予想は非公表。連結対象会社の除外影響はあるものの、営業利益の▲8%減はやや期待外れの印象。ただ、新興国通貨安の影響を見積もっており、全体的には保守的な印象は残る。
ここに注目!
北米市場での販売動向に注目する。2018年3月期は、商品サイクルも良好なため好調が期待される一方で、市場全体に頭打ち傾向が見られるのが気掛かり。また、傘下に収めた三菱自動車とのシナジー効果の発揮度合にも注視したい。なお、決算と同時に公表された新中期計画に関しては、現時点では中立的な見方を取る。
LIMO編集部