1. 2022年10月から厚生年金に加入できるパートが増える
厚生年金とは、公的年金のうち2階部分に位置する年金です。
1階の国民年金(基礎年金)には日本に住む20~60歳未満が原則加入するため、これまでもパートは加入していました。
一方、2階部分の厚生年金に加入できるのは、下記の要件を満たす人のみです。
1.1 厚生年金加入の対象となる勤め先
被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時500人を超える事業所
1.2 厚生年金加入の対象となる従業員
- 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
- 月額賃金が8万8000円以上
- 1年を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない
※休学中や夜間学生は加入対象です。
このうち、太字部分である「常時500人を超える事業所」の要件が10月より「常時100人を超える事業所」に拡大されます。
中小企業であっても対象になる可能性があるということです。
また「1年を超える雇用の見込みがある」も「2ヵ月を超える雇用の見込みがある」に短縮されるため、短期間の雇用見込みであっても対象となります。
つまり、パートやアルバイトという短時間労働者であっても、上記の要件を満たせば厚生年金に加入できるようになるのです。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)