パウエル議長の講演を受けて、市場は大幅安へ

2022年8月26日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比162円37銭高の2万8641円38銭となりました。前日の米株式市場でハイテク株を中心に買いが広がったことから、東京市場でも半導体関連銘柄などが買われました。

ただし、日本時間の同日夜には、米国で開かれている経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演が行われることから、その内容を見極めたいと考える投資家が多く、買いは続きませんでした。

今週の動きはどうなるでしょうか。

そのパウエル議長の講演ですが、インフレを抑制するために強力な手段を活用するとして、景気高揚よりも物価抑制に注力すること、そのために金融引き締めを続ける姿勢を明らかにしました。

足元では逆に、利上げペースが鈍化すると見ていた投資家も多かったのですが、それをきっぱりと否定するものになりました。

パウエル議長のタカ派の発言を受けて、26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反落し、前日比1008ドル38セント安の3万2283ドル40セントとなりました。下げ幅、下落率ともに今年3番目の大きさです。

同日は、S&P500種株価指数、ハイテク株の比率が大きいナスダック総合株価指数も下落しました。日本株も週初から下値圧力が強くなるでしょう。

ただし、このまま下落基調が続くのかどうかは判断が難しいところです。直近でも、主要な経済指標の発表やFRB高官の発言などによって相場が振られる展開となっていました。

今後も、さまざまな材料で、投資家が一喜一憂するような動きになりそうです。

次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月20~21日に行われます。6月と7月に続き、9月も0.75%の利上げが行われるとの見方が増えています。

今週末、2022年9月1日には米ISM製造業景気指数、2022年9月2日には8月の米雇用統計が発表されます。利上げの方針を判断する上で、結果に注目されるところです。