今や働く60歳代は当たり前となりつつある中、本格的な老後スタートといえば70歳代ともいえるでしょう。
70歳代になりゆっくりとセカンドライフを楽しむ方も多いと思いますが、厚生労働省によれば健康寿命の平均は男性で約72歳、女性で約75歳となっており、体力の衰えや病気などの心配をされる方も多いのではないでしょうか。
一方で、昨今数々の値上げが続いており、家計を厳しく感じる方も多いもの。
病気や介護などに加えて、値上げにも備えて対応する必要があるとなると不安を抱えるものでしょう。
今回は70歳代に視点をあて、貯蓄額の平均と中央値を見ながら、円グラフで分布も詳しくみていきます。
70歳代の貯蓄額を円グラフでみる。中央値は1000万円
まずは金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」から、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。
70歳代・二人以上世帯「金融資産保有額」
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70歳代・二人以上世帯「金融資産保有額」(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均値:2209万円
- 中央値:1000万円
平均値は2000万円以上ですが、一部の富裕層に引っ張られやすいという特徴があります。中央値の方がより実態に近いといえるでしょう。
中央値は1000万円となり、平均に比べて1200万円以上も下がります。その理由は円グラフをみると見えてくるでしょう。
貯蓄3000万円以上保有する世帯が22.1%と最も多くを占める一方で、貯蓄ゼロも18.3%と2番めに多くなっています。
また貯蓄1000万円未満が約半数を占めており、同じ70歳代とはいえ世帯により貯蓄額の差が大きいとわかります。
では、ひとり暮らしの方の貯蓄はどうでしょうか。
70歳代「おひとりさま」の貯蓄額を円グラフでみる。中央値は800万円
次に金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」を参考に、70歳代のおひとりさまの貯蓄額を確認していきましょう。
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70歳代・単身世帯「金融資産保有額」(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:1786万円
- 中央値:800万円
70歳代で一人暮らしの方の平均貯蓄額は1786万円でしたが、中央値は800万円でした。
こちらも約1000万円もの差が見られます。
円グラフを見ると、最も多いのは「貯蓄ゼロ」で25.1%。実に70歳代のおひとりさまの4人に1人が貯蓄ゼロです。
次に「3000万円以上」保有する世帯が20.2%となっており、70歳代は貯蓄があるか・ないかが両極端だとわかりました。
貯蓄700万円未満が約半数をも占めており、家計に余裕のないご家庭も多いと考えられるでしょう。
20~70歳代「貯蓄ゼロ」と「3000万円以上」の割合は?
70歳代の貯蓄は「貯蓄ゼロ」と「3000万円以上」で二極化していますが、それは他の年代でも同じでしょうか。
同調査の二人以上世帯の20~70歳代の貯蓄を確認しましょう。
【年代別】貯蓄ゼロ・3000万円以上の割合(平均・中央値)
- 20歳代:37.1%・0.6%(212万円・63万円)
- 30歳代:22.7%・3.3%(752万円・238万円)
- 40歳代:24.8%・4.8%(916万円・300万円)
- 50歳代:23.2%・12.9%(1386万円・400万円)
- 60歳代:19.0%・22.8%(2427万円・810万円)
- 70歳代:18.3%・22.1%(2209万円・1000万円)
まず平均と中央値をみると若年層ではまだ貯蓄が少なく、それに伴い貯蓄ゼロの割合も多い傾向にあります。
一般的には30~40歳代で住宅ローンや教育費・養育費を払い、また女性が育児のために働き方をセーブするなどで世帯年収が低くなる家庭もあるでしょう。まとまった貯蓄を築くにはまだ難しいといえます。
50歳代になれば世帯年収も上がり、教育費がなくなる分、貯蓄ができる世帯が増えるでしょう。
ただ50歳代の貯蓄分布を見ると「貯蓄ゼロ」が最も多く、次いで「3000万円以上」となっており、貯蓄の二極化傾向は50歳代でもあらわれていることがわかります。
60歳代でも貯蓄ゼロと3000万円以上で二極化しており、それは70歳代でも同じでした。
これまでの貯蓄があらわれやすいのが50歳代といえ、その傾向はそれ以降も続く可能性が高くなると考えられるでしょう。
貯蓄の習慣は早くからつけよう
今回の調査では特に50~70歳代で貯蓄の二極化が見られました。
老後資金に備える必要がある現代では、早いうちから貯蓄の習慣をつけておくことをおすすめします。
まずは少額でも良いので、給料日に引き落として残りで生活する「先取り貯金」を利用するといいでしょう。
早くから貯蓄の習慣をつけ、実際に貯まっていく様子を見ることで、老後に入ってからの貯蓄ゼロを防げるでしょう。
物価高もあり生活は厳しいですが、こういったときこそ家計を見直したり、自動的に貯まる仕組みづくりをはじめたりしてはいかがでしょうか。
参考資料
宮野 茉莉子
