長引くコロナ禍で不安定な情勢が続く中、今の仕事に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
景気が不安定なときには、安定したイメージの高い公務員に人気が集まるものです。
確かに景気に左右されにくいと言われる公務員ですが、その給与事情を実際にしている方は少ないかもしれません。
コロナ禍の対応でもしばしば注目を浴びる国家公務員にフォーカスをあて、毎月の給与事情に迫ってみたいと思います。
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1. 日本に国家公務員は何人いるか
公務員と一口にいっても職種は様々ですが、大きく「国家公務員」と「地方公務員」の2つに分けられます。
現在日本の公務員の数は、国家公務員が58万5000人、地方公務員が274万人となっています。
身近にイメージし易い地方公務員の方が、圧倒的に多いのですね。
国家公務員は国の業務に従事する職員のこととなっており、さらに特別職と一般職に分かれます。この中で、給与法が適用される一般職の国家公務員は28万7000人となっています。
では、国家公務員の給与は高いのでしょうか。民間の給与水準と比較してみます。
まずは2021年9月に国税庁から公表された「令和2年分民間給与実態統計調査」より、民間企業の平均年収から見ていきましょう。
2. 民間企業の平均給与は433万円
国税庁の資料によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は433万円で、平均年齢は46.8歳(男性46.8歳、女性46.7歳)です。また、平均勤続年数は12.4年(男性13.9年、女性10.1 年)でした。
もちろん、給与は業種によっても大きく異なります。参考までに、1年を通じて勤務した給与所得者の1人あたりの平均給与を業種別にみていきましょう。
給与がもっとも高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の715万円、次いで「金融業、保険業」の630万円という結果となりました。
業種以外にも年齢による差が激しいと予想できます。今度は年齢階層別でもみていきましょう。
1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与を年齢階層別にみると、男性では60歳未満までは年齢が高くなるにしたがい、平均給与も高くなるという特徴があります。
日本は年功序列が根強く残っているということです。
一方、女性は男性と比べて年齢による差は顕著ではないといえます。どの年代でも平均年収が400万円を超えることはありませんでした。
3. 民間企業の平均給与は勤続年数でも異なる
民間企業の平均給与について、勤続年数別にもみていきます。
1人当たりの平均給与を勤続年数別にみると、男性では35年未満までは勤続年数が長くなるにしたがい高くなり、勤続年数30~34年の階層(743万円)が最も高くなりました。
女性は30年未満までは勤続年数が長くなるにしたがい高くなり、勤続年数25~29年の階層(432万円)が最も高くなっています。年齢別と違い、こちらは男女ともに同じような傾向が見られました。
4. 民間企業の平均給与は企業の規模別でも異なる
多くの方が予想するとおり、企業の規模でも平均給与は変化します。
4.1 大企業(従業員5000人以上の事業所)
- 平均給与:406万2000円
- 平均賞与:102万4000円
給与と賞与を合計すると、平均で508万7000円になります。
4.2 資本金10億円以上の株式会社
- 平均給与:474万8000円
- 平均賞与:132万8000円
給与と賞与合計を合計すると、平均で607万6000円となりました。
ここまでの内容をまとめると、民間の会社に勤める方の平均年収は433万円ですが、業種、年齢、勤続年数、企業規模によって大きくことなることがわかりました。
では国家公務員の給与はいくらぐらいなのでしょうか。
5. 国家公務員の平均給与は民間より高いのか
ここからは、人事院による「令和3年国家公務員給与等実態調査の結果」から、国家公務員の給与を見ていきます。
5.1 国家公務員の給与事情(令和3年4月1日現在)
- 職員数:25万3000人※
- 平均年齢:42.7歳
- 平均給与月額(俸給及び諸手当の合計):41万4729円
※1月16日から4月1日までの間の新規採用者(1万680人)及び再任用職員(1万6195人)については、この人員等には含まれていません。
賞与である期末手当は入れずに、平均給与月額を年間にすると約500万円です。期末手当を除いても、民間企業の平均年収を上回りました。
ただし、国家公務員にも民間と同じ用に様々な職種があり、俸給表によって分類されています。
ここでは行政職俸給表(一)と行政職俸給表(二)の一般行政事務職の平均給与を確認してみます。
5.2 行政職俸給表(一)のケース
- 職員数:13万9627人
- 平均年齢:43.0歳
- 平均経験年数:21.0年
- 平均給与月額:40万7153円
5.3 行政職俸給表(二)のケース
- 職員数:2201人
- 平均年齢:50.9歳
- 平均経験年数:29.5年
- 平均給与月額:32万8603円
いずれにしても、民間の平均給与よりも高くなっています。
6. 国家公務員のボーナスは減少へ
国家公務員の賞与には2種類あります。
生計費が一時的に増大する時期に、生計費を保寿するための生活補給金としての手当となる「期末手当」と、勤務成績に応じて支給される能力給となる「勤勉手当」です。
計算式は複雑となりますが、期末手当は働いた期間(日数)に比例し、勤勉手当は成績に比例して支払われるものとなっています。
この2つの合計が民間企業でいうボーナスとなりますが、2022年の夏のボーナスは国家公務員で減少しました。
6月30日に支給された賞与の平均は58万4000円で、2021年の夏より11%も減少したことが、各種メディアで報じられています。
本来は民間の水準で調整される公務員のボーナスですが、給与法改正がずれ込んでしまったため、民間の減少分を昨年の冬に反映できませんでした。この分を、夏のボーナスで調整した形です。
また職員の平均年齢も低下したことが、全体平均の減少に影響しています。
とはいえ、平均給与月額は約41万円でしたので、ボーナスが平均で58万4000円だったことを加味すると、年収はざっくり600万円を超えます。
民間の平均よりも高いと言えそうです。
7. 公務員・会社員も貯蓄は必要
民間企業は景気に左右されやすく、長引くコロナ渦の影響で減給やボーナスカットとなる企業も増えています。そんな民間の動向に合わせて調整される公務員は、やはり間接的に景気の煽りを受けることになります。
会社員だから、公務員だから、ではなく、誰にとっても貯蓄は必要であるといえます。とくに定年退職を迎えたあとは、年金収入だけで暮らす老後が待っています。
時間があるうちに、資産形成を進めておきたいですね。



