2. 厚生年金の受給額は給与で計算される

厚生年金の受給額は、現役時代の報酬によって決まります。

厳密には年収ではなく「平均標準報酬月額」や「平均標準報酬額」を用います。

平均標準報酬月額とは4~6月の月給の平均額であり、平均標準報酬額は月給と賞与を合算して12で割った額です。

2003年4月を境に計算方法が変わったため、年金額の計算は以下のように分けて計算します。

  1. 2003年3月以前の年金額=平均標準報酬月額×7.125※/1000×平成15年3月以前の月数
  2. 2003年4月以後の年金額=平均標準報酬額×5.481※/1000×平成15年4月以後の月数

※生年月日ごとに乗率は代わります。上記では、昭和21年(1946年)4月2日以降生まれの人の乗率を使用。

1と2の合計が、厚生年金受給額の報酬比例部分となります。年金にはさらに加算される要素もあるため、個人で算出するのはかなり難しいでしょう。

そこで、一般的な目安として、収入と加入期間を軸とした早見表を作成しました。

出典:日本年金機構「令和4年度再評価率(一般)」を参考にLIMO編集部作成

実際に受け取る金額には、上記に国民年金が加算されます。

上記の早見表の金額は、平均標準報酬額のみを使って計算した概算です。またこの数値は厚生年金の報酬比例部分の受給額であるため、実際の受給額とは一致しません。あくまでも目安としてご覧ください。

正確な目安額が知りたい方は、日本年金機構が運営する「ねんきんネット」がおすすめです。また毎月誕生月に届く「ねんきん定期便」にも必ず目を通しましょう。

参考までに、厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均受給額は5万6252円です。

国民年金を平均通り受け取るとすると、年額で約67万円です。平均給与30万円で40年勤務した場合、厚生年金は約79万円。合計で約146万円になる計算です。