2022年8月15日は、2022年度の2回目の年金支給日です。
2ヵ月に1度の年金支給日、今の高齢者はいくらの年金を受給しているのでしょうか。
厚生労働省の直近資料によると、厚生年金の受給額は月平均で14万4366円です。
しかし、平均並みの「月15万円以上」を受給している人は、男性で約65%、女性で約9%しかいません。
個人差が大きいのは、厚生年金の受給額が「現役時代の報酬や加入期間に左右されるから」といえるでしょう。
自分が将来、いくらくらい年金をもらえるのか目安を知るためにも、収入・加入期間を軸とした年金受給額の早見表をご紹介します。
【注目記事】【厚生年金と国民年金】税金や保険料が天引きされると手取りはいくらになるのか
1. 公的年金には厚生年金と国民年金がある
公的年金は、国民年金と厚生年金という2種類の年金で構成されています。
1階の国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入する義務があります。保険料は一律で、納付した期間に応じて将来もらえる年金の額が決まります。
一方で厚生年金は、公務員やサラリーマンなどが加入できるもので、支払う保険料はその組織から受け取る報酬に応じて変わります。また、将来もらえる年金額は、加入期間や納付額に応じて変わります。
報酬が高ければ納付額も増えますが、将来受け取る際にその分多くもらえるということですね。
このように、みなさんは毎月年金保険料を支払っています。会社員の方は給与から天引きされるため、手取り額の少なさにがっかりすることもありますよね。
誤解する方も多いのですが、実は将来の年金は、今支払っている保険料を積み立てて受け取るわけではありません。
現役世代(今働いている世代)が支払った保険料を、その時代の年金受給者に分配する仕組みとなっているのです。
みなさんが受給者となった際は、その時の働き手が年金の資金源を作ることになります。保険料以外にも、年金積立金や税金などが年金の財源に充てられます。
こうした背景から、仮に同じ保険料を納めた人であっても、年金の受給額は年代によって変化することにはご留意ください。
2. 厚生年金の受給額は給与で計算される
厚生年金の受給額は、現役時代の報酬によって決まります。
厳密には年収ではなく「平均標準報酬月額」や「平均標準報酬額」を用います。
平均標準報酬月額とは4~6月の月給の平均額であり、平均標準報酬額は月給と賞与を合算して12で割った額です。
2003年4月を境に計算方法が変わったため、年金額の計算は以下のように分けて計算します。
- 2003年3月以前の年金額=平均標準報酬月額×7.125※/1000×平成15年3月以前の月数
- 2003年4月以後の年金額=平均標準報酬額×5.481※/1000×平成15年4月以後の月数
※生年月日ごとに乗率は代わります。上記では、昭和21年(1946年)4月2日以降生まれの人の乗率を使用。
1と2の合計が、厚生年金受給額の報酬比例部分となります。年金にはさらに加算される要素もあるため、個人で算出するのはかなり難しいでしょう。
そこで、一般的な目安として、収入と加入期間を軸とした早見表を作成しました。
実際に受け取る金額には、上記に国民年金が加算されます。
上記の早見表の金額は、平均標準報酬額のみを使って計算した概算です。またこの数値は厚生年金の報酬比例部分の受給額であるため、実際の受給額とは一致しません。あくまでも目安としてご覧ください。
正確な目安額が知りたい方は、日本年金機構が運営する「ねんきんネット」がおすすめです。また毎月誕生月に届く「ねんきん定期便」にも必ず目を通しましょう。
参考までに、厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均受給額は5万6252円です。
国民年金を平均通り受け取るとすると、年額で約67万円です。平均給与30万円で40年勤務した場合、厚生年金は約79万円。合計で約146万円になる計算です。
3. 厚生年金の受給額を増やしたいなら
現役時代の報酬の目安と照らし合わせることで、おおよその金額が予想できたのではないでしょうか。
現役時代の給与が高ければ平均より多くもらえる可能性もありますが、残念ながら年金受給額は減少傾向にあります。
今後も年金の水準が下がることも見越し、自助努力が必要となるでしょう。
先ほど、厚生年金の受給額は加入期間と報酬額で決まると説明しました。加入期間については、厚生年金制度を導入している企業に属する期間を延ばすことで年金アップを目指せます。
つまり60歳よりも65歳、65歳よりも70歳と働くことで、収入の確保及び受給額のアップが望めるのです。
報酬額については、基本的には勤続年数に応じて上がっていく会社が多いでしょう。あるいは経験やスキルの向上を意識し、転職なども視野に入れたうえでキャリアアップを図ることが、選択肢になります。
4. 厚生年金以外の老後保障も
公的な年金収入に加え、自分で老後の資産を準備することも重要になります。コツコツと銀行預金を進めるのも一つですが、資産運用について検討してみるのもいいでしょう。ポイントは3つです。
4.1 iDeCoやつみたてNISAで税負担も軽減
政府が後押しするiDeCoやつみたてNISAであれば、税金の優遇も受けられます。老後まである程度時間がある場合はiDeCoを利用すると、自分だけの年金を作ることもできます。
ただしiDeCoは原則60歳まで解約できないので、万が一の生活防衛費も兼ねるのであれば、つみたてNISAの方がいいでしょう。
4.2 長期積立でリスクを分散
預貯金以外に資産運用で老後資金を用意する方が増えてきました。低金利の今は効率的に貯められる資産運用が確かに有効ですが、長期に積み立てることでリスクを分散させましょう。
金融商品は日々値動きがあるので、一括で大きな金額を買うと、値下がりした場合に大きく損が出る可能性もあります。
しかし、定期的に積立投資を行う場合は「価格が高いときには少なく、価格が低いときには多く」買い付けます。
買いつけのタイミングを分散させることで、購入単価が平均化され、値動きの影響を受けにくくなるのです。
4.3 保障もしっかり
積立投資を長期戦で進める場合、定期収入があることが前提となります。万が一休職・失業した場合でも、続けられることが条件になるでしょう。
まずは現金として、年収の半年分~1年分は確保できると安心です。また収入激減や病気などのリスクに備え、最低限の保障を保険商品で備えておければ理想的です。
こうした保障を備えられてはじめて、資産運用が選択肢となります。
5. 老後対策は早めに始める
今回は給与ごとの目安となる受給額をご紹介しました。年金額を自分で計算するのは困難なため、「ねんきんネット」などで定期的に受給額を確認しておきましょう。
最近ではマイナポータルを経由してねんきんネットにログインできるようになりました。マイナポイント事業などでマイナポータルのアプリを入れた方は、早速確認してみてはいかがでしょうか。
これを機に、公的なお金について理解を深めていきましょう。


