2. 65歳以上世帯の貯蓄高2000万円超のほとんどは預貯金か
さて、ここで注目したいのは、通貨性預貯金と定期性預貯金の保有割合です。
- 通貨性預貯金:預け入れ期間の定めがなく、いつでも出し入れが自由。
- 定期性預貯金:預け入れ期間が決まっており、基本的には満期日まで引き出すことができない。
2016年の通貨性預貯金の保有割合は19.4%でしたが、ここ5年間で26.6%と7.2ポイント増加していることがわかります。
対して、定期性預貯金の方を見ると2016年時点で45.9%だった保有割合が、2021年には39.5%と6.4ポイント減少しています。
また、生命保険や有価証券などといった他の金融商品については2016年と2021年時点での保有割合に大きな差はありません。
このことから、以下の点が推測できます。
- 定期性預貯金の割合が減少して、通貨性預貯金の割合が増加しているのは、定期性預貯金で満期になったお金をそのまま通貨性預貯金に預けかえている可能性がある
- 生命保険や有価証券など運用性のある商品の保有割合に増減がほとんど見られないため、現役時代から運用していた金融商品を65歳以降に利益確定して預貯金残高が増えたとは考えづらい
以上のことから、65歳以上世帯の貯蓄高2000万円超はそのほとんどを預貯金で準備したという風に考えられますね。
しかし、今は低金利と言われる時代。65歳以上世帯が預貯金だけで、どうやって2000万円超の貯蓄を築くことができたのでしょう。
その理由から働く世代である私たちはどうやって貯蓄2000万円超を達成すればいいのでしょうか。次の項で詳しく話していきたいと思います。