厚生労働省が2022年7月に公表した資料によると、男性の平均寿命は81.47歳、女性の平均寿命は87.57歳となりました。

人生100年時代と言われる今日、老後の生活は今より長くなる可能性も大いにあります。特に定年が近づく50歳代の人は、老後の生活をよりリアルに感じることでしょう。

そこで今回は、日本の50歳代世帯の貯蓄について見ていきます。

1. 定年前50歳代世帯の貯蓄平均はいくらか?中央値も確認

まずは、50歳代世帯の貯蓄の平均を見ていきましょう。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」を参考にします。

1.1 50歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有しない世帯を含む)の平均値と中央値はいくらか

  • 平均:1386万円
  • 中央値:400万円

平均値は極端に大きな数値に引き上げられるので、より実態に近いのは中央値でしょう。400万円という数値を見て、あなたはどう感じるでしょうか。

1.2 50歳代・二人以上世帯の金融資産保有額分布(金融資産を保有しない世帯を含む)の金額別の各割合

ここからは、50歳代の貯蓄分布もチェックしていきます。

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出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」

 

  • 金融資産非保有:23.2%
  • 100万円未満:8.9%
  • 100~200万円未満:6.5%
  • 200~300万円未満:4.5%
  • 300~400万円未満:4.0%
  • 400~500万円未満:3.4%
  • 500~700万円未満:6.4%
  • 700~1000万円未満:6.3%
  • 1000~1500万円未満:8.0%
  • 1500~2000万円未満:5.7%
  • 2000~3000万円未満:6.6%
  • 3000万円以上:12.9%
  • 未回答:3.5%

気になるのが、最も割合が多くなっているのが金融資産非保有「貯蓄ゼロ」の世帯(23.2%)であるところです。一方で貯蓄3000万円がある世帯も1割以上あることがわかります。貯蓄の成果がデータとして明確に表れています。

2. 定年前50歳代世帯の負債は1000万円?貯蓄から負債を引いた純貯蓄額も

ここまで、50歳代世帯の貯蓄について見てきました。ここからは、負債も確認していきます。

2.1 50歳代・二人以上世帯の借入額(借入金有無回答世帯)の平均値・中央値

  • 平均値:1421万円
  • 中央値:1000万円

50歳代の負債の中央値は1000万円となりました。住宅ローンの残債が主な要因とみられます。

 

2.2 50歳代二人以上世帯の純貯蓄額はいくらか

では、50歳代の純貯蓄額「貯蓄ー負債」をチェックしていきましょう。

  • 平均値:▲35万円(1386万円-1421万円)
  • 中央値:▲600万円(400万円-1000万円)

平均値と中央値、どちらも赤字となりました。50歳代世帯のお金事情はなかなか厳しい状況なのかもしれません。

3. 老後2000万円問題とは何だったのか

老後の貯蓄で一時期「老後2000万円問題」が話題となりました。こちらの内容を改めて振り返ってみましょう。

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出典:金融審議会「市場ワーキンググループ」(第21回)厚生労働省提出資料「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」をもとにLIMO編集部作成

出典:金融審議会「市場ワーキンググループ」(第21回)厚生労働省提出資料「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」をもとにLIMO編集部作成

金融審議会「市場ワーキンググループ」(第21回)厚生労働省提出資料では、日本の高齢夫婦無職世帯の収入と支出は下記のように算出されました。

  • 実収入(主に年金):20万9198円
  • 実支出(主に食費):26万3718円
  • 月々の赤字額=約5万5000円

老後必要額=5万5000円×12ヵ月×30年(老後30年と仮定)=1980万円 ※約2000万円

以上が、老後2000万円問題の内容です。

ただ、この試算には介護費が含まれていなかったり、持ち家住まいを前提としていたりするなどの注意点があります。当然ですが、状況によっては2000万円以上が必要になる人もいるでしょう。

4. 定年前50歳代の貯蓄から老後を想像する

今回は、「定年前」50代の貯蓄について解説してきました。

50歳代には大きな貯蓄格差があることがわかりました。

相次ぐ物価上昇や円安など、生活やお金に関する漠然とした不安は継続すると思われます。

現役世代は、今のシニア世代よりもしっかり老後資金を準備する必要があるでしょう。まずはご自身のマネープランについてじっくり考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

齊藤 慧