4. 定年60歳代「老後の貯金」最低でいくらあればいいか
公的年金だけでは、ゆとりある老後生活が送るのはなかなか難しいでしょう。
そうなると命運をわけるのは老後の貯蓄額になってきます。では、最低いくら貯めると良いのでしょうか。
老後生活が30年あるとして1000万円の貯蓄があれば年間33万3000円(月2万7700円)ずつ取り崩すことができます。
2000万円の貯蓄があると月5万5400円の取り崩しが可能です。厚生年金の平均14万円と合わせると、月20万弱の生活水準になるイメージです。
ですが、これでは突然の出費や介護になった場合を考えると、健康であることを前提とした最低限の生活といえるでしょう。
理想をいえば、「(月の生活費―公的年金の受給月額)×12カ月×30年」したものに、「介護費用として+1000~2000万円程度」の貯蓄を確保しておきたいところです。
5. 定年60歳代に向けて今からゆとりある老後の備えを
人生100年時代を生きていく上で、心穏やかな老後生活を迎えるためにも、定年後の収支計画を立て、いくら預貯金を準備するべきか「見える化」することが大切です。
銀行の預貯金ではふえない時代、今あるお金、今後もらうお金にしっかりと働いてもらう資産運用を一部取り入れることをオススメします。
老後に向けた資産づくりの第一歩として、まずは将来の生活をどう送りたいのか具体的にイメージすることから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
仲宗根 梨世
執筆者
滋賀県彦根市出身。龍谷大学国際文化学部卒。大学卒業後、滋賀銀行に入行。主に個人向けコンサルティング営業に従事。若年層から富裕層までの幅広い層のお客様に対応し、これまで1000世帯以上の資産運用に関する相談経験をもつ。資産形成から相続サポートまでのライフステージに応じた相談を得意とする。社内研修の講師を務め、若手社員の人材育成に貢献。社内表彰多数。現在は個人向け資産運用会社にて、資産運用のサポート業務をおこなう。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部 編集長室
LIMO編集部記者/元新聞記者
担当分野
金融と社会保障分野の専門知識を生かし、主に公的年金(厚生年金保険と国民年金)、公的年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、マイナンバー制度など幅広くカバーしている。
信頼性の高い情報源をもとに、政策の変遷や最新の貯蓄トレンドを掘り下げた記事も手掛けているが、難解な情報を分かりやすく伝えることを意識している。
また、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなど、多岐にわたるテーマについて企画・編集・執筆している。
経歴
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場の大手IT企業でキャリアを開始。
その後、厚生労働省の記者クラブにて約3年間、医療保険制度や介護・高齢者福祉に特化した社会保障の専門紙で記者として働いた。
ここで社会保障分野に関する深い知識と実務経験を積み、複雑な制度の解説や政策を分析するスキルを磨いた。
現在は、株式会社モニクルリサーチが運営するくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、金融と社会保障分野に特化した記事を執筆している。
スタンス
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厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)などの信頼性の高い官公庁の公開情報を基に、読者が日々の生活や将来の計画に役立てられるようなアドバイスを心掛けている。
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最終更新日:2024年11月11日