異例の暑さが続くなか、電気料金が大幅に値上がりする8月がやってきました。
電力大手10社のうち4社が値上げし、使用量が平均的な家庭で「東京電力では9118円、中部電力では8747円」など、いずれも1年前と比べ2100円以上の値上がりとなります。
在宅勤務が続く方や、子どもの夏休みなどでお家で過ごす日が続くなかでの電気代の値上げは気になるところですね。
値上げが続く中、老後の柱となる年金は減額へ。
老後への不安がますます大きくなりますね。「老後資金の準備が早いうちから必要」と言われても、一体どれくらい必要なのかイメージが湧かない方もいらっしゃるでしょう。
そこで、今回は、現代の一般家庭が、ひと月どれほどの国民年金と厚生年金をもらっているかを確認していきます。また、老後生活するうえで、一般的にどれくらい必要となるか、そのイメージもお伝えしていきます。
【注目記事】【厚生年金】男性「ひとりで月15万円以上」は何パーセントか。受給予定額を知る方法2選
1. 【公的年金】 国民年金(基礎年金)の受給額はひと月いくらか
公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造といわれています。
- 1階部分「国民年金(基礎年金)」:原則、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人に加入義務があります。
- 2階部分「厚生年金」:公務員や会社員などが「国民年金」に上乗せして加入します。
まずは、国民年金の月額を見ていきましょう。
厚生労働省年金局の「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は以下の通りです。
1.1 国民年金(基礎年金)の平均年金月額
- 男性:5万9040円
- 女性:5万4112円
平均額:5万6252円
男女別の受給者数は次の通りです。
1.2 【国民年金(基礎年金)】 年金月額階級別老齢年金受給権者数(男性)
- ~1万円未満:1万2467人
- 1万円~2万円未満:5万8554人
- 2万円~3万円未満:21万6991人
- 3万円~4万円未満:68万1950人
- 4万円~5万円未満:134万1815人
- 5万円~6万円未満:313万9242人
- 6万円~7万円未満:859万4057人
- 7万円以上:40万8917人
1.3 【国民年金(基礎年金)】 年金月額階級別老齢年金受給権者数(女性)
- ~1万円未満:6万2087人
- 1万円~2万円未満:23万5046人
- 2万円~3万円未満:71万1764人
- 3万円~4万円未満:216万71人
- 4万円~5万円未満:332万1823人
- 5万円~6万円未満:462万1737人
- 6万円~7万円未満:624万1716人
- 7万円以上:147万3357人
男女ともに「6万円~7万円未満」を受給している人が最も多く、国民年金の場合は男女差がそれほどありません。
国民年金のみの受給者は「第1号被保険者の自営業・フリーランス、第3号被保険者の専業主婦」などが対象です。厚生年金には加入していないため、平均では月額5万6252円となります。
この金額を見て、国民年金だけの生活というと心もとないと感じる方は多いはず。年金以外に老後資金を準備する必要があると考え、早めに準備をしていきましょう。
2. 【公的年金】 厚生年金の受給額はひと月いくらか
次に、会社員や公務員がもらえる厚生年金の月額を見てみましょう。
会社員や公務員の場合、先程の国民年金にあわせて、上乗せ部分である厚生年金を受け取れます。これから紹介する「厚生年金保険(第1号)」には、先程の国民年金の月額も含まれているので注意してください。
2.1 厚生年金の平均年金月額
- 男子16万4742円
- 女子10万3808円
平均額:14万4366円
平均月額は14万4366円ですが、男女差で見ると6万円ほど差が大きいと感じますね。
男女別の受給者数を詳しく見ていきましょう。
2.2 【厚生年金保険(第1号)】年金月額階級別老齢年金受給権者数(男性)
- 1万円未満:7万2507人
- 1万円以上~2万円未満:1万2071人
- 2万円以上~3万円未満:5395人
- 3万円以上~4万円未満:1万170人
- 4万円以上~5万円未満:3万714人
- 5万円以上~6万円未満:6万7421人
- 6万円以上~7万円未満:16万3063人
- 7万円以上~8万円未満:24万4810人
- 8万円以上~9万円未満:24万2657人
- 9万円以上~10万円未満:27万3243人
- 10万円以上~11万円未満:35万350人
- 11万円以上~12万円未満:43万8683人
- 12万円以上~13万円未満:51万8659人
- 13万円以上~14万円未満:60万8992人
- 14万円以上~15万円未満:70万4371人
- 15万円以上~16万円未満:79万3583人
- 16万円以上~17万円未満:88万4219人
- 17万円以上~18万円未満:94万8543人
- 18万円以上~19万円未満:94万2288人
- 19万円以上~20万円未満:87万9047人
- 20万円以上~21万円未満:75万7129人
- 21万円以上~22万円未満:59万345人
- 22万円以上~23万円未満:41万4195人
- 23万円以上~24万円未満:28万2665人
- 24万円以上~25万円未満:19万63人
- 25万円以上~26万円未満:12万1426人
- 26万円以上~27万円未満:7万5194人
- 27万円以上~28万円未満:4万4547人
- 28万円以上~29万円未満:2万2741人
- 29万円以上~30万円未満:1万807人
- 30万円以上~:1万6346人
2.3 【厚生年金保険(第1号)】年金月額階級別老齢年金受給権者数(女性)
- 1万円未満:2万8004人
- 1万円以上~2万円未満:6884人
- 2万円以上~3万円未満:6万1267人
- 3万円以上~4万円未満:10万9541人
- 4万円以上~5万円未満:9万4941人
- 5万円以上~6万円未満:10万3206人
- 6万円以上~7万円未満:23万8112人
- 7万円以上~8万円未満:44万9205人
- 8万円以上~9万円未満:69万2135人
- 9万円以上~10万円未満:85万2017人
- 10万円以上~11万円未満:76万8808人
- 11万円以上~12万円未満:57万9740人
- 12万円以上~13万円未満:40万7435人
- 13万円以上~14万円未満:28万8035人
- 14万円以上~15万円未満:20万8976人
- 15万円以上~16万円未満:15万2367人
- 16万円以上~17万円未満:10万9888人
- 17万円以上~18万円未満:7万5929人
- 18万円以上~19万円未満:5万1905人
- 19万円以上~20万円未満:3万7458人
- 20万円以上~21万円未満:2万4850人
- 21万円以上~22万円未満:1万6796人
- 22万円以上~23万円未満:1万976人
- 23万円以上~24万円未満:6934人
- 24万円以上~25万円未満:3951人
- 25万円以上~26万円未満:2188人
- 26万円以上~27万円未満:1098人
- 27万円以上~28万円未満:516人
- 28万円以上~29万円未満:208人
- 29万円以上~30万円未満:144人
- 30万円以上~:375人
厚生年金の男性受給者のうち「15万円~20万円未満」を受け取っている人が一番多いのに対し、女性受給者は「5万円~10万円未満」と男女差が大きくなります。
厚生年金は月々の収入や勤務年数によって受取額が左右されます。女性の場合、出産や育児、親の介護等のライフイベントで収入や勤務期間への影響が考えられますね。
ただし、男女平等といわれる今、この差は縮まっていくことでしょう。
3. 国民年金(基礎年金)と厚生年金だけで老後の生活費は足りる?
ここまで国民年金と厚生年金の平均額を見てきました。老後の生活費をまかなえるのか考えてみます。
今のシニア世代に多い「夫が会社員で妻が専業主婦」のケースに平均を当てはめてみると、夫16万4742円、妻5万4112円で、月額21万8000円ほどです。
生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人の老後の日常生活費で最低限必要な月額が平均22万1000円。最低限必要な生活費でも、年金だけでは赤字であることが分かります。
さらに、ゆとりある老後生活のために必要なお金は、平均で毎月36万1000円です。
ゆとりの生活とは「旅行やレジャー」「趣味や教養」「日常生活費の充実」「身内とのつきあい」などがあげられています。
現役時代の忙しい日々を過ごす分、老後の時間がある時こそ、趣味や友達付き合いを楽しんだり、夫婦で旅行にでかけたりと日常生活を充実させたいと思う方は多いでしょう。
老後の楽しみを味わうためには、年金以外に月に15万円ものお金が必要となりますね。
「老後は必要最低限の生活をするから大丈夫」と考える方もいらっしゃいますが、年金額は将来においてさらに少なくなることが既に予想されており、そもそも年金だけでは最低限の生活も赤字となる可能性が高いといえます。
ゆとりの生活にお金を使わずとも、病気や介護などの長生きリスクに対しても備えなければなりません。
また、今回のような物価高も考えられますよね。
公的年金だけに頼るのではなく、自分でも年金となる資産を準備していきましょう。
4. 国民年金(基礎年金)と厚生年金に依存しない生き方を目指す方法2選
老後のために必要となるお金を用意し、少しでも増やす方法は、「働く」か「運用する」かの2つです。
まず「働く」ことですが、今の「一般家庭」のモデルケースが今後変わっていくでしょう。
内閣府が2022年6月14日に公表した「男女共同参画白書 令和4年版」によれば、2021年の共働き世帯は1177万世帯に対し、専業主婦世帯は458万世帯。
現代は共働き世帯が多く主流となっています。
年金の平均額から、夫婦ともに働き厚生年金に加入していると、受け取れる年金は26万8550円と、最低限の老後生活費用はカバーできます。
仮にどちらか一方がパートであっても、2016年10月から従業員500人を超える規模の会社では、一定要件を満たせば厚生年金に加入できるようになりました。
さらに、2017年4月からは500人以下で労使合意に基づき申し出をする企業に、2022年10月には従業員数100人超規模の企業、2024年10月には従業員数50人超規模の企業で、一定要件を満たせば加入できます。
年金だけでは不足する時代に、老後を見据えて、働き方を変えていくことも必要ですね。
そして、貯蓄だけでは増えないといわれる時代、資産運用を取り入れる必要があるでしょう。
今は「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」など税制優遇制度もありますね。少額から投資をはじめることができるため、投資の一歩として利用しやすいでしょう。
ただし、運用には元本割れのリスクが伴います。「周りがやっているから」ではなく、それぞれの制度の違いを知ったうえで始めましょう。
そして、投資をはじめたなら、コツコツ積み立てるのが基本です。長期の運用を行えば、リスクを抑えることにもつながります。
自身の加入している年金によって、将来の不足分は大きく変わります。まずは自身の年金額を把握し、老後の生活のイメージに対し、毎月どれくらい必要となるのか一度考えてみましょう。
必要な資金が分かれば、それに対して働く期間を長くとるのか、貯蓄し運用するのか。またはその両方の選択肢を取る必要があるかもしれませんね。
遠い将来に感じても、必ずやってくる老後。今のうちから準備し行動していきましょう。
参考資料
- 内閣府「男女共同参画白書 令和4年版 特集編 人生100年時代における結婚と家族~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」
- 公益財団法人生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
- 日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」2022年3月24日
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(2022年2月15日)
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」




