3. 国民年金(基礎年金)と厚生年金だけで老後の生活費は足りる?

ここまで国民年金と厚生年金の平均額を見てきました。老後の生活費をまかなえるのか考えてみます。

今のシニア世代に多い「夫が会社員で妻が専業主婦」のケースに平均を当てはめてみると、夫16万4742円、妻5万4112円で、月額21万8000円ほどです。

生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人の老後の日常生活費で最低限必要な月額が平均22万1000円。最低限必要な生活費でも、年金だけでは赤字であることが分かります。

さらに、ゆとりある老後生活のために必要なお金は、平均で毎月36万1000円です。

ゆとりの生活とは「旅行やレジャー」「趣味や教養」「日常生活費の充実」「身内とのつきあい」などがあげられています。

現役時代の忙しい日々を過ごす分、老後の時間がある時こそ、趣味や友達付き合いを楽しんだり、夫婦で旅行にでかけたりと日常生活を充実させたいと思う方は多いでしょう。

老後の楽しみを味わうためには、年金以外に月に15万円ものお金が必要となりますね。

「老後は必要最低限の生活をするから大丈夫」と考える方もいらっしゃいますが、年金額は将来においてさらに少なくなることが既に予想されており、そもそも年金だけでは最低限の生活も赤字となる可能性が高いといえます。

ゆとりの生活にお金を使わずとも、病気や介護などの長生きリスクに対しても備えなければなりません。

また、今回のような物価高も考えられますよね。

公的年金だけに頼るのではなく、自分でも年金となる資産を準備していきましょう。