3. 「住んでから投資」をする際の注意
ここでは、「住んでから投資」をする際の注意点について解説します。住んでから投資に挑戦したい方は、注意点もしっかりと把握しておきましょう。
3.1 投資用と自己居住用では魅力が異なる
投資用と自己居住用では目的が大きく異なるため、同じ物件でも長所・短所の見え方が異なります。
たとえば、高利回りで資産価値が高い物件は投資用物件として魅力的でも、「自分の住みたい家」ではない可能性があります。反対に、職場に近いなど自分の住む家としては魅力的な物件でも、賃貸需要のある物件とは限りません。
後々賃貸するのであれば賃貸需要の見極めは必須ですが、住環境も大切なポイントの1つです。
投資用と自己居住用の物件探しでは選ぶ基準が大きく異なるため、どのようなポイントを重視して物件選びをするかきちんと考えておく必要があるでしょう。
3.2 賃貸需要を見極めないと空室リスクに悩まされることに
不動産投資におけるリスクの中でも代表的なものが、「空室リスク」です。
基本的に、不動産投資は所有物件を貸し出して家賃収入を得る手法であるため、家賃を支払う入居者がいなければ収入が得られません。
後々貸し出すことを考えると、賃貸需要のある物件であるかの見極めが必須であるといえるでしょう。
3.3 投資目的の場合は住宅ローンが利用できない
住宅ローンは、自ら居住する住宅を取得する際に利用できるローンです。したがって、投資目的であることを隠して住宅ローンの借り入れを行うことは、不正利用となってしまいます。
実際、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」が投資用物件に不正利用されたケースが発覚しています。契約違反となれば、一括返済を求められることになるでしょう。
今回ご紹介している「住んでから投資」のように、住宅ローンを利用して自己居住用の物件を購入した後、賃貸にすることは可能です。
ただし、住宅ローンの返済途中で貸し出す場合は、必ず金融機関に相談してください。住んでから投資を行う場合はきちんと手順を踏んで行動し、不正とならないように十分注意しましょう。
住宅ローンで不動産投資をする不正利用については、こちらの記事もご覧ください。
3.4 基本的に住宅ローンの残っている住宅を賃貸することはできない
住んでから投資は、一定期間居住した後に賃貸物件として貸し出す投資方法です。
住宅ローンの返済途中で賃貸物件として貸し出すと契約違反になってしまうため、必ず金融機関に相談してください。居住用から投資用に目的が変わるため、住宅ローンから不動産投資ローンへの借り換えをするなどの対応をすることになるでしょう。
借り換えの際には改めて融資審査を受けることになりますが、住宅ローンと不動産投資ローンでは審査基準が異なることにも注意が必要です。
また、ローンの借り換えには、手数料や保証料、登記費用などの諸費用がかかります。住んでから投資を行う場合は、借り換えの諸費用についても考慮しておきましょう。
なお、転勤などやむを得ない事情がある場合は、住宅ローンを残したまま賃貸物件として貸し出すことができるケースがあります。
いずれにしても住宅ローンが残っている住宅を無断で貸し出してしまうと契約違反になってしまうため、必ず金融機関に相談してください。