2. 「住んでから投資」のデメリット

住んでから投資には、メリットだけでなくデメリットもあります。住んでから投資に興味のある方は、デメリットやリスクもきちんと理解した上で検討してみましょう。

2.1 住宅ローン控除の対象となる投資用物件は限られている

「住んでから投資」における大きなメリットは、住宅ローンで借り入れて住宅ローン控除を利用すること。つまり、住んでから投資のメリットを享受するためには、住宅ローン控除の対象となる投資用物件を探す必要があります。

ちなみに、住宅ローン控除は2022年度から内容が大きく変わっています。まずは2022年度における住宅ローン控除の主な適用条件を確認してみましょう。

  • 自己居住用であること(投資目的はNG)
  • 新築・取得の日から6ヶ月以内に入居し、適用を受ける各年の年末まで居住を続けていること
  • 床面積50m2以上(※年間所得1,000万円以下の人は床面積40m2以上となる特例あり)
  • 床面積の1/2以上の部分が自己居住用
  • 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下
  • 住宅ローンの借入期間10年以上
  • 1982年以降に建築された新耐震基準適合住宅(※中古住宅の場合。1981年以前に建築された住宅は、耐震基準に適合していることを示す証明書が必要)

住宅ローン控除を受けるためには、最低でも床面積40m2以上の物件であることが必須条件となります。特にワンルームマンションではこの条件を満たさない物件が多いため、注意が必要です。

住宅ローン控除を含め、2022年度住宅税制の改正ポイントについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

2.2 オーナーチェンジ物件は住宅ローンが利用できない

既に賃貸借契約を締結している入居者がいる状態で所有者のみ変更される「オーナーチェンジ物件」の場合は、居住者退去後に自分で住む予定でも住宅ローンの利用ができません。

賃貸借契約を引き継ぐ形で取得することになるため、入居者からの家賃収入が得られる投資用物件と考えられるからです。

住宅ローンはあくまで自己居住用の物件を取得するときに利用できるものであり、投資目的での利用はできないことに注意しましょう。

2.3 (当然ながら)自己居住中は減価償却費の経費計上ができない

不動産投資では、建物や設備の減価償却費を経費として計上することができます。

不動産投資における経費の中でも、減価償却費は金額が大きくなりやすい項目です。そのため、毎年きちんと減価償却費を計算して、長期的に節税をしている人もいるのです。

しかし、「経費」として計上できるのは、事業をする上で必要な費用に限られます。

したがって、自己居住用の物件である場合は、その期間減価償却費を経費として計上することができません。

投資用物件に自分で住む場合は、減価償却による節税はできないデメリットがあるのです。

ただし、居住後に賃貸とする場合は、そこから減価償却費の計上は可能です。