3. 厚生年金だけで月平均20万円もらえれば老後は安泰か

ここまで年金受給額の実態について見てきました。実際、老後の生活を送るには毎月いくらの年金を受け取ることができれば安泰なのでしょうか。

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によれば、老後に必要な生活費は単身者で約15万円、夫婦2人で約26万円となっています。

しかし、このデータでは住居費が1万円台で計算されています。賃貸暮らしやマンション住まいで管理費や修繕積立金が必要な場合等もありますので、上記の金額に3~5万円上乗せして考えておくと良いでしょう。

そうなると、単身者で約20万円、夫婦2人で約31万円が毎月必要となってくる生活費と言えますね。

単身者なら、厚生年金だけで毎月20万円受け取ることができれば丸々生活費にあてて残りの国民年金は将来施設に入るため等にとっておくことができます。

また、夫婦2人(会社員の夫と専業主婦の妻と仮定)であれば夫の厚生年金20万円と夫婦2人分の国民年金約12万円で毎月の生活はなんとかなるでしょう。

では実際、毎月厚生年金だけで20万円以上受け取っている方はどのくらいいるのでしょうか。

厚生労働省年金局の調査による結果は以下のとおりです。

全体:259万3494人(16.1%)

  • 男性:252万5458人(23.5%)
  • 女性:6万8035人(1.26%)

厚生年金だけで毎月20万円というとハードルが非常に高く思えましたが、実際には男性だと約4.2人に1人がこの壁を超えています。

これを見るに、将来受け取る年金額を増やすには「収入を上げるためのスキルアップ」を図ることが非常に重要に思えてきますね。