「老後2000万円必要」ってホント？国民年金・厚生年金の受給額を増やすコツ3選 老後資金に備える方法

1. 老後2000万円問題を振り返る

まずは「老後2000万円問題」について詳しくみていきましょう。

金融審議会「市場ワーキンググループ」（第21回）厚生労働省提出資料によると、老後の生活費についてこう記述されています。

1.1 【高齢夫婦無職世帯（夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯）】

• 実収入（主に年金）：20万9198円
• 実支出（主に食費）：26万3718円
• 月々の赤字額：約5万5000円

1.2 【老後必要額】

• 5万5000円✕12カ月✕30年（老後を30年と仮定）＝1980万円　※約2000万円

この2000万円という数字こそ、「老後2000万円問題」の根拠となる数字になります。

ただ、実はこの2000万円という数値には気をつけなければいけないポイントがあります。

1. 介護費用が含まれていない
2. 住居費が1万3656円で計算されている
3. 収入と支出は人それぞれ

1の介護費用についてですが、平均余命が伸びている現状を踏まえると、準備しておくに越したことはありません。

介護にならずに健康で過ごすことができた場合は、介護費用として貯めていたお金は別のことに使うこともできます。

2については、住宅ローンの残債がある方や賃貸で生活をされている方などは、もっとかかるケースが多く、さらなる負担増となります。

3については、現役世代の収入や年金の納付状況によって受取金額も変わりますし、生活水準も人それぞれです。

これらを踏まえると、老後生活費の不足分が2000万円に収まらない可能性も十分に想定されるのです。