記憶に新しい「特別定額給付金」

新型コロナウイルスによる経済低迷を受け実施されたのが、「特別定額給付金」です。

金額や対象者の決定には紆余曲折の議論がありましたが、結局は国民全員に一律10万円が支給されることに。

具体的には、世帯主の指定口座に、世帯員分の給付金が10万円ずつまとめて振り込まれるという運用でした。

特別定額給付金の効果

第一生命経済研究所「特別定額給付金10万円、その使途と効果」によると、特別定額給付金の使い道としてもっとも多かったのは「日常的に必要なものに使う」の53.7%でした。

複数回答ではありますが、2位「余暇・趣味・娯楽に使う」の19.5%を大きく引き離した形です。

また年収が高いほど、「余暇・趣味・娯楽に使う」の割合は高まる傾向になりました。

具体的な数字としての効果は計れていませんが、10万円という現金給付に助けられた世帯も多いのではないでしょうか。

これまでの制度と違い「子育て世帯」「住民税非課税世帯」などの限定がない分、「もう一度支給してほしい」という支持の声もあります。

現金給付は単なる票集めなのか

2022年7月10日に行われた参議院選挙では、各党がさまざまな経済支援を掲げていました。

大々的に「現金10万円の一律給付」等を掲げていた政党もありましたが、結果的には自由民主党が議席を大きく獲得した結果となっています。

現金給付はわかりやすいメリットがあるため「票集め」との批判もありますが、過去の支給制度等の効果を鑑み、冷静に判断することが求められるでしょう。

特別定額給付金では、公的な分析の発表が今後あると予想されますが、かかった事業費と照らし、課題を洗い出すことも大切です。

参考資料

太田 彩子