3. 一棟マンション経営初心者が知っておくべきお金の話
ここでは、一棟マンション経営を始める際に知っておくと役立つ初期費用、維持費について解説します。
一棟マンション経営では、各種費用が高額になりやすいためどのような費用がかかるのかを事前に確認しておきましょう。
3.1 マンション経営にかかる初期費用はどれくらい?
物件価格が高額になりやすい一棟マンションは、不動産投資用のローンを組んで購入する方がほとんどです。そうは言っても、自己資金0円で始めると借入額が高額になってしまうため、ご自身の資産背景に合った物件を検討することが大切です。
マンション経営を始める際に必要な自己資金には、「諸費用」と「物件購入のための頭金」の2つの種類があります。
- 諸費用:仲介手数料や各種税金など物件以外にかかる費用
- 頭金:ローンの借入金額以外に必要な物件購入資金
これらの金額は物件価格に比例するため、まずはマンション価格の相場を紹介しましょう。
【マンション価格の相場】(2022年2月時点)
一棟マンションと言っても、10戸未満の小規模な物件から数十戸以上の大規模な物件までさまざまです。そのため、一棟マンションの価格帯は数百万円から数十億円と非常に幅広くなっています。
以下の価格は、LIFULL HOME‘S不動産投資で掲載している一棟マンションの価格をまとめたものです。
- 最高値:20億3000万円
- 最安値:580万円
- 最も多い価格帯:1億円~2億円
【不動産投資にかかる初期費用の目安】
不動産投資にかかる初期費用の目安は、頭金に物件価格×20~30%、諸費用に物件価格×6~8%と言われることがあります。
ただし、必要な頭金は物件や融資額によって大きく異なりますし、諸費用も依頼する不動産会社や損害保険料の支払い方法などによって異なりますので、あくまでも目安です。
参考までに、先ほど紹介したマンション価格で頭金と諸費用の目安を計算してみました。
上記の通り、同じ一棟マンションでも規模によって必要な初期費用が大きく異なります。ご自身の投資目的や資産背景に適した物件を検討することが大切です。
- 初期費用の相場はいくら?初期費用を抑える5つのポイント
- 【不動産投資】頭金の目安は?頭金を入れるメリット・デメリット
- 不動産投資にはどのような税金がかかるのか?
- アパートローンとは?不動産投資を成功に導く融資の選び方
3.2 マンション経営にかかる維持費とは?
マンション経営には、初期費用だけでなく維持費もかかります。
家賃収入を多く得たとしても、コストがかかりすぎると利回りが下がってしまうため、コスト面に関する知識も身に付けておくといいでしょう。
一棟マンションの経営にかかることが多い項目を以下にまとめたので、参考にしていただければと思います。
【一棟マンションの経営にかかる維持費の例】
- 固定資産税、都市計画税
- 管理費
- 修繕費、修繕積立金
- エレベーターのメンテナンス費用
- 共用部の水道光熱費、インターネット回線利用料
- 退去時のリフォーム費用
- ローンの利息
- 減価償却費
など
3.3 高額?エレベーターのメンテナンス費用に注意
高層階の物件が多い一棟マンションでは、エレベーターが設置されているケースが珍しくありません。
エレベーターのメンテナンス費用は、想像以上に高額になりやすいため注意するべき費用の1つです。
エレベーターのメンテナンス契約には以下2つの形態があり、契約形態によってサービス内容が異なります。
【エレベーターのメンテナンス契約形態】
- フルメンテナンス契約:エレベーターの各種定期点検、劣化した部品交換や修理まで行う契約形態。修理費用は月々の契約料金に含まれている。
- POG契約:エレベーターの各種定期点検のみを行う契約形態。一部消耗品の交換が月々の契約料金に含まれることもあるが、基本的に部品の交換・修理は別途料金。
エレベーターのメンテナンス業者には、エレベーターのメーカーの系列会社であるメーカー系メンテナンス会社と、特定のメーカーには属さずにメンテナンスを行う独立系メンテナンス会社があります。
一般的には、エレベーターを設置したメーカーにそのままメンテナンスを依頼しますが、複数社のサービス内容・費用を比較した上で独立系メンテナンス会社に依頼することも手段の1つです。
ただし、エレベーターのメンテナンスは入居者の安全を守るために欠かすことができないものです。費用のみで比べるのではなく、必ずサービス内容やメンテナンス業者の専門性の高さを確認し、信頼できる業者への依頼を最優先しましょう。