2. 用途地域の種類
ここからは、用途地域の種類を詳しく紹介します。
用途地域のエリアは、大きく分けると「住居地域」「商業地域」「工業地域」の3つに分類できます。
このエリアをさらに細分化すると、住居地域は8種類、商業地域は2種類、工業地域は3種類に分けられており、全部で13種類のエリアに区分することが可能です。
用途地域における、それぞれのエリアの詳細は以下のようになっているので、ぜひ参考にしてください。
2.1 住居地域
住居地域とは、一戸建てやマンション、アパートといった人々が暮らす住宅の比率が高い地域のことです。
住居地域は、人々が快適で健康的な暮らしを送ることが優先されている地域なので、有害な煙を排出する工場や、大きな騒音を発する施設などは、基本的に建てられません。
住居地域のエリアの詳細は以下のとおりです。
住居地域①第一種低層住居専用地域
第一種低層住居専用地域は、低層住宅の比率が高い地域です。
低層住宅とは、建物の高さが10m、あるいは12m以下の住宅のことで、この高さを超える住宅は、第一種低層住居専用地域では建てることができません。
また、建物の高さや面積などの制限をクリアしている場合は、集合住宅や小中学校などを建てることも可能です。
また、第一種低層住居専用地域は、駅や商業施設から離れた場所に指定されていることが多いので、静かで落ち着いた雰囲気の地域です。
住居地域②第二種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域も、第一種低層住居専用地域と同様に低層住宅の比率が高い地域です。
第二種低層住居専用地域の建物の高さの上限は第一種低層住居専用地域と同じですが、床面積の上限が150m2メートルに引き上げられています。そのため、家の中や庭のスペースを確保しやすいという点が特徴です。
また、第二種低層住居専用地域では、小規模の飲食店やコンビニなどの物件も建てられるので利便性にも優れています。
住居地域③第一種中高層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域は、住宅だけではなく、大学や病院、中規模の店舗などが建てられる地域です。
第一種中高層住居専用地域は建物の高さに制限がないので、物件の広さや高さなどの幅が広がります。
ただし、高さに制限はないとはいっても、建物の床面積に対する制限である「容積率」を守らなければなりません。そのため、高層ビルや大規模なマンションなどは建てられないことには注意しましょう。
住居地域④第二種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域も、中高層のマンションやビルなどが主に立ち並ぶ地域です。
第一種中高層住居専用地域では、500m2が建てられる物件の床面積の上限でしたが、第二種中高層住居専用地域では1500m2にまで引き上げられています。
やや大型の店舗や施設なども建てられることから、利便性も高くなっています。
住居地域⑤第一種住居地域
第一種住居地域は、住宅の環境を守ることを目的とした地域です。
床面積の上限が、3000m2にまで引き上げられているだけではなく、容積率も大幅に緩和されているので、さまざまな住宅や店舗、施設などを建てることができます。
オフィスビルや高層マンション、ホテルなども建てられるので、利便性は非常に高いといえるでしょう。
ただし、利便性の向上に伴い、住宅を取り巻く環境はにぎやかになっているため、周囲の生活音が気になるという人は注意が必要です。
住居地域⑥第二種住居地域
第二種住居地域では、建てられる物件の床面積の上限が1万m2にまで引き上げられています。
広い面積の建物が建てられるだけではなく、カラオケ店やパチンコ店といった、騒音が生じやすい店舗も建てられるので、にぎやかな環境であるといえます。
住居地域⑦準住居地域
準住居地域は、道路の沿道において住宅と店舗が調和している地域です。
カラオケ店やパチンコ店だけではなく、工場なども建てることができるので、より活発な環境だといえます。そのため、店舗や施設の音だけではなく、車の音もよく聞こえるという点には注意しなければなりません。
住居地域⑧田園住居地域
田園住居地域は、農地と低層住宅を中心とした地域です。
農地と住宅の調和が目的とされている地域なので、住宅の場合は高さが低い低層住宅の建築が認められています。
また、床面積が500m2以内であれば、農作物を使った飲食店や農作物の直売所いった、農業に関連した建物も建てられます。