1. 「公的年金の仕組み」厚生年金と国民年金とは

公的年金は、現役世代(今働いている世代)が支払った保険料を、高齢者などの年金受給者に分配する仕組みとなっています。そのため、払っているお金を積み立てて将来受け取れるわけではありません。

いずれ皆さんが受給者となった際は、その時代の働き手が年金の資金源を作ることになります。

保険料以外にも、年金積立金や税金などが年金の財源に充てられます。

また公的年金は、基本的に「厚生年金と国民年金」という2種類の年金で構成されています。

国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入する義務があり、保険料は一律。納付した期間に応じて、将来もらえる年金の額が決まる仕組みです。

一方で厚生年金は、公務員やサラリーマンなどが加入できるもので、支払う保険料は報酬に応じて決まります。将来もらえる年金額は「加入期間や納付額」に応じて変わるため、ざっくり年収に連動すると考えてよいでしょう。

つまり報酬が高ければ納付額が増え、将来の年金受給額も多くなるということになります。

なお、下の図のように国民年金に上乗せする形で厚生年金がある仕組みになっています。

この構造から、日本の年金制度は俗に「2階建て構造」などと呼ばれます。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成