退職金がある企業は約8割

60代の貯蓄事情についてみてきましたが、保有額のうち「退職金の有無」はその結果に大きな影響を与えているといえるでしょう。

退職金の額は企業によって異なるのはもちろんですが、近年では退職金のない会社も増えてきています。

少し前の資料にはなりますが、厚生労働省が公表した「平成30年就労条件総合調査」によると、退職給付(一時金や年金)がある企業は、約80.5%となっています。

出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」

企業規模別に見ても、従業員数が1000人を超える企業では9割を超える一方で、従業員数が30人~99人の企業では、7割強にとどまっています。

また、最終学歴による違いもみてみましょう。

出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」

平均退職給付額

  • 大学・大学院卒(管理・事務・技術職):1983万円
  • 高校卒(管理・事務・技術職):1618万円
  • 高校卒(現業職):1159万円

学歴による違いはあるものの、いずれも2000万円には届かない結果となりました。実際には企業により差が大きく、業績に左右されることもあるでしょう。

以上のことからも、退職金だけで老後の生活をカバーするのは難しいといえます。