貯蓄1000万円でも安心できない?

「年収600万円の平均貯蓄は1000万円」というデータだけを見れば、ある程度はゆとりのある生活を送れそうなイメージを持つかもしれません。

たしかに数字だけ見ると余裕がありそうにも感じられます。しかし、その背景にある「家庭の状況」をのぞいてみると、そうとも言い切れない様子がうかがえるのです。

先ほどの総務省の家計調査報告によると、世帯主の平均年齢は、年収600万円~650万円の世帯で平均48.4歳、650万円~700万円の世帯で平均50.1歳となっています。

また、世帯の中に18歳未満の人が1名程度いることも分かっています。

仮に標準どおりの世帯である場合、18歳未満の子どもが大学進学を控えている状況も多いことでしょう。

大学費用は「私立か国公立か」、「自宅通学か下宿」などに大きく左右されるものの、時に数百万円の費用が発生する場合も珍しくありません。

毎月の収入から捻出するのはとてもむずかしいため、貯蓄を切り崩すことになるでしょう。こうなると、「1000万円の貯蓄があれば安心」とはいえない状況がわかります。