あっという間に6月も終わりを迎えました。
6月に支給された年金から0.4%の減額となり、生活に不安を抱えるシニアも多いです。一方、減額の主な理由は「拠出する現役世代の賃金減」ということですから、現役世代にとっても由々しき事態だと言えます。
とはいえ、今のシニアが具体的にいくらの年金を受給しているのか知っている方は少数派ではないでしょうか。今回は厚生労働省の最新データから、高齢者の受給する「厚生年金と国民年金」の月額平均をご紹介します。
夫婦での標準的な年金額は約22万円とも言われますが、ここには誤解もあります。夫婦の働き方ごとに目安をつかんでおきましょう。
【注目記事】「厚生年金と国民年金」令和4年6月支給分から引き下げへ
1. 年金には厚生年金と国民年金がある
日本の年金制度は「2階建て構造」と言われることがあります。これは1階部分に国民年金があり、2階部分に厚生年金があるからです。
国民年金(老齢基礎年金)には20歳から60歳までのすべての人が加入します。国民年金の保険料は全員一律で、40年間欠かさず保険料を納めると満額が受け取れます。ちなみに2022年度の満額は月額6万4816円です。
厚生年金には、会社員や公務員が「国民年金の上乗せ」として加入します。厚生年金の保険料は報酬比例制です。
保険料や加入期間によって年金の受給額が決まるため、厚生年金の場合は現役時代の収入によって受給額が大きく変わることになります。
「厚生年金の金額は年収で決まる」と言われるのはこの仕組みのためです。ただし、厳密には年収ではなく「標準報酬月額」等を用いて算出します。
- 平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月以前の加入期間
- 平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間
上記で求めた報酬比例部分に加え、条件にあてはまれば経過的加算額なども加わるため、実際の受給額は個々で大きく異なることがわかりますね。