「老後の安心」は現役時代の準備から
70歳以上世帯の貯蓄事情について眺めてきました。
70歳以上のうち、3000万円以上を保有する世帯は22.1%でした。貯蓄なしの世帯が18.3%いることから、「老老格差」とも呼べる二極化が見られます。
70歳以上の格差には、退職金や親からの相続なども影響します。しかし、堅実に貯蓄をしてきた方にとっては「自分が貯蓄をした成果だ」と言いたくなるでしょう。
「老後のことなんかわからない」「今の生活で精一杯」「年金があるからなんとかなる」老後の備えをしない人の意見はさまざまですが、まずは現状の把握も大切です。
今の高齢者でも約30%が「経済的に困る」と回答する現代、老後の備えはしておくに越したことがありません。
昨今の物価上昇をみていると、インフレによりお金の価値が下がることが懸念されます。銀行預金だけでなく、保険や資産運用などでバランスよく備えることが理想でしょう。
老後に向け、効率的な貯蓄方法について一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]「用語の解説」によると、「ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める」とあります。
参考資料
太田 彩子