4月~6月以外に給与が変動したら随時改定となる
7月に行われる定時決定は、4月~6月の報酬月額がもとになるため、その時期に残業が多い場合、昇給や昇格すれば見直しがかかります。
一方、それ以外の月で報酬月額に変更があったとき、例えば7月以降で報酬が大きく変わったときなどは、「随時改定」にて標準報酬月額が改定となります。
その場合、7月・8月・9月という3ヵ月間の報酬月額を平均し計算した標準報酬月額が、先述の「標準報酬月額は区分表」において2等級以上離れたのであれば、改定になります。
もし、4月~6月が該当となる定時決定の標準報酬月額が22万円だった場合、健康保険は18等級、厚生年金保険は15等級です。その後、7月~9月の標準報酬月額が28万円となり、健康保険が21等級、厚生年金保険が18等級であれば、2等級以上変更となり、随時改定の対象になります。
なお、この2等級以上の変更には、増えたとき、減ったときのどちらも該当します。
ただし、随時改定には以下3つの要件があり、すべて満たすことが必要になります。
- 昇給または降給等により固定的賃金に変動があった。
- 変動月からの3カ月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた。
- 3カ月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上である。
上記1.の固定的賃金というのは、昇給や降給、時給単価の変更、家族手当・住宅手当・通勤手当などをいいます。残業手当は固定的賃金とはならず、もし、7月以降に増えたとしても、随時改定の適用にはなりません。