標準報酬月額の見直しと「10月給与」との関係

4月~6月までの給与がそれ以前の給与よりも増加していれば、標準報酬月額の等級が上がり、控除される保険料は多くなります。

一方、4月~6月までの給与が従来よりも減少すれば、標準報酬月額の等級が下がり、控除される保険料は少なくなります。

10月の給与の手取り収入が「下がった、どうして?」となる原因は、7月の定時決定が大きくかかわっており、対象となるのはそのことがわかる随分前の4~6月での給与ということになるのです。

標準報酬月額は区分表で確認

標準報酬月額とは、会社員が会社から支給される毎月の給与などを区切りのよい幅で区分したもの。つまり、健康保険や厚生年金保険などの保険料を出す際のもとになる金額です。

標準報酬月額の区分は、健康保険・介護保険の標準報酬月額の場合、第1級の5万8000円~第50級の139万円までとなります。一方、厚生年金の場合は第1級の8万8000円~第32等級の65万円までです。

これら標準報酬月額をまとめた区分表は、あらかじめ都道府県ごとに作成されており、その表を確認すれば、等級ごとに個人が負担する健康保険、介護保険、厚生年金保険料が一目でわかります。

標準報酬月額のもとになる報酬月額に含まれるものとは

標準報酬月額は、原則として4月~6月の3月間の給与の平均となる金額です。ただし、いずれの月も17日以上勤務していることが前提となります。

その計算をする際、もとになる毎月の給与を「報酬月額」ともいいます。そこに含まれているものは、基本給、役職手当、資格手当、通勤手当、残業手当など、労働の対象として支給されるものすべてです。

また、もし賞与が4月1日から翌年の3月31日までの期間で4回以上支給があったとすれば、経常的に支払われる報酬とみなされ、賞与総額を12月で割った額が報酬月額にプラスされることになります。

例えば4月~6月が繁忙期で、残業手当が多く支給された場合、また4月から役付になり役職手当がつくようになった場合は、その分給与額が増え、標準報酬月額の等級が上がり、社会保険料が増えることになります。

心当たりのある方は、今のところは大丈夫ですが、10月の手取り収入が減り「あれ、どうして?」ということになる可能性があります。今から心の準備をしておきましょう。