年金制度改正によって、健康保険・厚生年金保険の適用範囲が段階的に拡大されており、2022年10月にさらに拡大されます。

これまで短時間労働のために厚生年金に加入できなかった人が、条件が緩和されたことで厚生年金に入りやすくなりました。厚生年金に加入することで、将来もらえる年金額を増やすことができます。

そこで、1年働いたらどのくらい増えるのか、計算で導き出してみましょう。

厚生年金の仕組み

厚生年金保険は、厚生年金の適用事業所で働いている70歳未満の人が、国民年金に上乗せして加入する公的年金制度です。保険料は毎月の給料(標準報酬月額)に決められた保険料率をかけた金額を、被保険者本人と事業主が半々で負担します。

納めた保険料は国民年金同様、その時代の年金受給者に支給する世代間扶養方式(賦課方式)となっています。

国民年金の保険料は収入と関係なく一定額を納めますが、厚生年金の保険料は収入に応じた額となるため、収入が多ければ納める保険料も高くなり、その分もらえる年金額も多くなります。

ただし保険料には上限があるため、年金額もそれ以上は増えません。

このように、厚生年金は収入(報酬)に比例して年金額が増える「報酬比例部分」が基礎年金(国民年金)に上乗せされて支給される、いわゆる「2階建て」の年金になっています。