株式市場の振り返り-日経平均株価は続落、地政学リスクと円高が重石に

2017年4月12日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 18,552円(▲195円、▲1.0%) 続落
  • TOPIX 1,479.5(▲15.5、▲1.0%) 続落
  • 東証マザーズ総合指数 978.7(▲34.9、▲3.5%) 大幅続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:221、値下がり銘柄数:1,722、変わらず:70
  • 値上がり業種数3、値下がり業種数:30
  • 年初来高値更新銘柄数:22、年初来安値更新銘柄数:471

東証1部の出来高は19億2,407万株、売買代金は2兆2,136億円(概算)となり、いずれも前日より増加となりました。北朝鮮問題を始めとする地政学リスクの高まりなどにより、依然として模様眺めの動きは強いと見られますが、下値を拾う動きも散見されたようです。売買代金は3日ぶりに2兆円超となりました。

日経平均株価は円高進行などを背景に、寄り付きから安く推移し、前場の半ばには一時▲287円安(年初来安値を更新)まで売られる場面がありました。その後は徐々に下げ幅を縮小しますが、結局は▲1%超安となる続落で引けています。なお、TOPIXも同じような値動きでした。

東証マザーズ総合指数は大幅続落、投げ売りや見切り売りが多く出た模様

東証マザーズの出来高は1億856万株、売買代金1,102億円となり、いずれも前日から増加しました。出来高は6日ぶりに1億株超となり、売買代金は3日ぶりの1,000億円超となっていますが、相当な投げ売りが出たと見られます。

実際、総合指数は急落しており、終値では2月7日以来となる1,000ポイント割れで引けました。ここ2カ月ほど続いた新興市場の勢いは終焉を迎えた可能性が高いと言えます。

ハイテク株不振で日本電産が安値更新、決算発表のユニー・ファミマHDは急落

個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)、東京エレクトロン(8035)、信越化学工業(4063)などが大幅下落となり、TDK(6762)は急落となりました。

また、前日に決算発表を行ったユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が▲6%超安となる急落となり、同じく決算を発表したエービーシー・マート(2670)も▲4%超安になるなど、ともに年初来安値を更新しています。

さらに、ハイテク株の下落が続いており、日本電産(6594)が急落し、三菱電機(6503)や日立製作所(6501)も大きく値を下げ、いずれも安値を付けました。なお、11日に監査法人の適正意見なしで異例の決算発表を行った東芝(6502)も続落しています。

一方、決算発表以外の小売株は堅調に推移し、しまむら(8227)やファーストリテイリング(9983)が値を上げ、良品計画(7453)も上昇して引けました。

また、JR九州(9142)も久しぶりの大幅上昇となり、明治ホールディングス(2269)も底堅い値動きになっています。

新興市場は、ほぼ全面安に近い状況であり、ユーザベース(3966)が大幅続落となり、グレイステクノロジー(6541)やインターネットインフィニティー(6545)など直近IPO銘柄は連日の急落となりました。

前日にやや買い戻された力の源ホールディングス(3561)も急落しましたが、串カツ田中(3547)は小幅安に止まるなど健闘が目立っています。

青山 諭志