「年金だけで生活する世帯」はおよそ半分、60代で貯蓄2000万円は普通なのか 年代別に老後に向けて備える方法とは

60代の貯蓄額はいくらか

では実際に、60代の貯蓄額を金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査［二人以上世帯調査］（令和3年）」を参考に、貯蓄分布とあわせて確認します。

60代・二人以上世帯の金融資産保有額（金融資産を保有していない世帯を含む）

• 平均：2427万円
• 中央値：810万円

平均は2000万円を上回りました。ただ、平均値は上下の大きな数字に影響を受けるため、実態に近い中央値で見ると810万円まで下がります。

中央値では2000万円の半分にも満たない厳しい結果が確認できました。

保有額ごとの人数割合

• 金融資産非保有：19.0％
• 100万円未満：6.4％
• 100～200万円未満：4.8％
• 200～300万円未満：3.4％
• 300～400万円未満：3.3％
• 400～500万円未満：2.6％
• 500～700万円未満：5.9％
• 700～1000万円未満：5.3％
• 1000～1500万円未満：8.4％
• 1500～2000万円未満：6.0％
• 2000～3000万円未満：9.6％
• 3000万円以上：22.8％
• 無回答：2.6％

上記から60代で2000万円以上保有している割合は32.4％。目安である2000万円を達成できている世帯は少ないのが現実のようです。

さらに注目したいのは、貯蓄ゼロの世帯が約2割いることです。3000万円以上の世帯も同じような割合で確認出来るため、かなり大きなバラつきがあります。

2000万円を準備している世帯は半数にも満たないことが確認できました。そう考えると半数以上の世帯が60歳以降も生活のために働く必要がありそうです。