失われた30年を教訓に
ここまで日本の平均年収について見ていきました。ここ30年の平均収入は伸び悩み、世界にも差をつけられています。
高度経済成長を経て1990年のバブル崩壊後から現在までを「失われた30年」と呼びます。しかし、このままでは失われた40年、50年と続いていく可能性もあります。
平均年収が増えないのに、このまま物価が上がり続けると将来の生活に大きな影響が考えられます。「人生100年時代」といわれるこんにち。年金生活に入る老後を考えると、これまでの貯蓄では十分でない可能性が高いです。
老後の収入の柱は年金と貯蓄ですから、老後を乗り越えるためには退職までにどれだけ貯蓄が出来るかが重要です。しかし年収が増えずに生活費が上がれば、貯蓄金額が減少します。
老後を見据え、貯蓄を増やすための対策が必要になるでしょう。例えば資産運用を取り入れても良いですし、iDeCoや積立NISAなど毎月コツコツと積立ていく積立投資なども有効です。
もちろん運用のリスクもありますが、安心して将来を迎えるためにお金の使い道や、資産を守る方法について情報収集はしておいた方がいいでしょう。
個別のライフスタイルや家族構成によって、必要な老後資金やとれるリスクは異なります。未来のために、できることを少しずつ始めていきましょう。
参考資料
太田 彩子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)