【ブラック校則と言えど…】長年の習慣を全て変えるのは容易ではない
時代が変化しているのに、いつまでも1980年代風の校則では生徒や保護者も違和感を覚えるのはあたりまえのことです。ほとんど変化のなかった校則が、令和に入り見直しへと少しずつ切り替わってきているのは喜ばしいことです。
文部科学省は「校則の見直し等に関する取組事例について」の中で、「校則は、学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的な範囲内において定められるものです」と記しています。
メディアで取り上げられている校則は「必要かつ合理的な範囲内」を逸脱しているものも多く、迅速な対応が求められます。しかし、長きにわたり全く変わってこなかった全てを一度に校則を変えていくことは容易ではありません。
前時代的な校則であっても、基本的に公立学校では人事異動が定期的に行われます。そのため、どうしても前例を引き継ぐ形で校則も代々受け継がれています。「どうしてこの校則が追加されたのか」という背景が分からず、積極的に変える気持ちは芽生えません。
さらに、中学や高校は3年で卒業するため、たとえ生徒が名乗りをあげて校則を変えていく取り組みをしても、非常にタイトなものになります。
理想としては負の遺産のようなブラック校則をなくしたいけれど、それだけに注力することも難しいという現実があるのです。