人生100年時代と言われる今日、豊かな老後を暮らすために欠かせないもののひとつが、お金。高齢者の雇用促進が浸透し、定年後も働き続ける方が増えつつあります。
しかし、現役世代のころから老後の生活を想像するのはなかなか難しいでしょう。
そこで本日は、「65歳以上・無職世帯」の貯蓄の実態を解説します。また、老後資金の貯め方についても見ていきましょう。
65歳以上の世帯の平均貯蓄額「2500万円以上」3分の1に
まずは、二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の世帯(二人以上の世帯に占める割合42.7%)について貯蓄現在高階級別の世帯分布をみていきます。
二人以上の世帯全体と比べて、世帯主が65歳以上の世帯では、貯蓄現在高が高い階級にも広がった分布となりました。
そのうち2500万円以上の世帯は、全体の33.3%と約3分の1を占めています。
一方で300万円未満の世帯は、全体の14.8%を占めています。
現役時代のころから貯蓄を進めてきた人と、そうでない人の差が大きく出ているのかもしれません。
65歳以上「無職世帯」の平均貯蓄は2年連続増
まずは、65歳以上・無職世帯の貯蓄額をチェックしていきます。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考にします。
【無職世帯】世帯主が65歳以上の貯蓄額
貯蓄現在高:2342万円
【内訳】
- 通貨性預貯金:623万円(26.6%)
- 定期性預貯金:924万円(39.5%)
- 生命保険など:403万円(17.2%)
- 有価証券:388万円(16.6%)
- 金融機関外:4万円(0.2%)
二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯に占める割合31.9%)の1世帯当たり貯蓄現在高は、2342万円。前年に比べ50万円、2.2%の増加で、2年連続の増加となっています。
貯蓄の種類別に1世帯当たり貯蓄現在高をみると、定期性預貯金が924万円と最も多くなりました。
次いで通貨性預貯金が623万円、「生命保険など」が403万円、有価証券が388万円、金融機関外が4万円となっています。
また、前年と比べると、有価証券が40万円、11.5%の増加、「生命保険など」が6万円、1.5%の増加などとなっています。「貯蓄から投資」へ意識が変わっている人もいるのかもしれませんね。
65歳以上の貯蓄を「老後2000万円問題」から考える
先述の通り、65歳以上・無職世帯の貯蓄額は平均で2000万円を超えることがわかりました。2000万円というと、かつて話題になった「老後2000万円」と同じ金額です。
そこで、この「老後2000万円問題」を改めて解説していきます。
金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回厚生労働省提出資料)から、2000万円という金額の根拠を見ていきましょう。
高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)
- 実収入(主に年金):20万9198円
- 実支出(主に食費):26万3718円
- 月々の赤字額=約5万5000円
老後必要額=5万5000円×12カ月×30年(老後30年と仮定)=1980万円≒約2000万円
つまり、年金だけでは老後の生活を乗り切ることができないということ。具体的には、年金以外に2000万円が必要という試算なのです。
厚生年金の平均受給額はいくらか【早見表】
老後2000万円問題について振り返りましたが、ここからは老後の生活資金の柱となる年金の受給額の実態を紹介します。会社員の人が将来もらえる厚生年金の受給額の分布を見ていきましょう。
【早見表】厚生年金・受給額別の人数(1万円レンジごと)
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
9万~12万円前後の層が多くなっています。一方で、ごくわずかではありますが30万円以上の受給額の人もいます。受給額には大きな差があることがわかります。
65歳までに貯蓄を増やすポイントとは
ここまで、65歳以上の貯蓄の実態や、老後2000万円問題について解説してきました。
「自分の老後は大丈夫だろうか」と不安になった人もいるでしょう。老後になってから慌ててしまうのではなく、現役時代のうちから早めに貯蓄を進めておくことが大切です。
「貯蓄」と聞いてすぐ思いつくのが、食費などの家計を見直して費用をカットすること。そして、浮いたお金を預貯金に回す。これももちろん正しい答えの1つでしょう。
ただ、超低金利時代の今日、いくら預けても利息はわずか。お金を「増やす」には効率的とは言いづらいでしょう。
そこで検討をすすめるのが、「資産運用」です。
一例を挙げると、毎月4万円を年率3%で運用した場合、30年積み立てるだけで約2000万円以上のお金を作ることができます。(金融庁資産運用シミュレーションより)
効率的にお金を育てていくための手段のひとつである資産運用ですが、もちろんリスクもあります。まずはご自身のライフプランを見直してみてはいかがでしょうか。




