4. 「厚生年金ー国民年金」平均受給額の差はいくらか
では、厚生年金と国民年金ではどれくらいの金額差があるのでしょうか。平均受給額で全体と男女に分けて確認してみましょう。
4.1 厚生年金ー国民年金の差
- 全体平均:14万4366円-5万6252円=8万8114円
- 男性平均:16万4742円-5万9040円=10万5702円
- 女性平均:10万3808円-5万4112円=4万9696円
全体平均では約9万円の差がありました。
男性だけで見ると、厚生年金のほうが10.5万円も多い結果となっています。男性の場合は女性に比べて収入が多かったり、会社員としてずっと働かれる方も多いのでこれだけの差が出るのでしょう。
女性の厚生年金と国民年金の違いは約5万円ほど。男性と比べるとおよそ半分ですが、月5万円の差は大きいでしょう。平均受給額で比べると、厚生年金と国民年金では男性で10万円、女性で5万円の差がありました。
5. 現役時代の働き方や収入が老後にも影響する結果に
今回確認したように、厚生年金と国民年金ではひと月の受給額に大きな差が見られました。
現代は会社員や公務員のほかに自営業、フリーランス、パートなどさまざまな働き方があり、転職や起業をする方も珍しくない時代です。
自分の望む働き方ができる一方で、老後については今回のような傾向を知り、備えていく必要があるでしょう。パートの方であれば厚生年金に加入する働き方を目指すことで、将来の年金額を増やすこともできます。
ただ育児や介護でなかなか働くことができなかったり、フリーランスや自営業という働き方を選ぶ場合には、私的年金や貯蓄で備える方法もあります。
つみたてNISAやiDeCoのように、毎月積み立てながら、利益が非課税になる制度もあります。将来に備える方法はさまざまですので、これを機に情報収集してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)
- 日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
宮野 茉莉子