あっという間に6月となり、朝から暑い日も増えてきました。これから本格的な梅雨を迎えるため、おうち時間が増える方も多いのではないでしょうか。
おうち時間を有意義に過ごしたい場合、おすすめなのが「お金関係」の情報収集です。「知らないと損をする」というお金情報は意外に多くありますよね。
年金もその一つです。
6月15日は年金の支給日ですが、年金を受給するステップをご存知でしょうか。
65歳になれば誰もが受給できると思われる「年金」は、意外にも正しいステップをふまないと受給することができません。
「59歳までに知っておきたい」年金の手続きについて、おうち時間を利用して知っておきましょう。
【注目記事】【厚生年金と国民年金】月平均ではみんないくらもらっているのか
1. 年金制度のしくみをおさらい
まずは日本の公的年金制度のしくみをおさらいましょう。年金には「国民年金」と「厚生年金」が存在し、2階建ての構造をしています。
1.1 国民年金(基礎年金):1階部分
図の1階に位置する国民年金には、日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人が加入しています。
年金保険料は定額(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)で、40年間すべて保険料を納付すれば「満額」が受け取れます。
納付期間が足りない場合、その分が満額から差し引かれるという仕組みです。ちなみに2022年度の満額は月額6万4816円と決まっています。
1.2 厚生年金(被用者年金):2階部分
そして2階にあるのが厚生年金です。厚生年金には、会社員や公務員等が「国民年金に上乗せ」する形で加入し、報酬比例の保険料を納付します。
納めた保険料や加入月数に応じた年金を受け取るため、高い報酬を受けたった人や長く働いた人ほど年金額が高くなります。
国民年金のように満額という概念はありません。
国民年金も厚生年金も、受給資格を満たすことで原則65歳から老齢年金が受給できます。
2. 還暦前「59歳まで」に知っておきたい年金手続き
国民年金と厚生年金は原則65歳から受給できるとお伝えしましたが、場合によっては65歳よりも前に受給することも可能です。
2.1 特別支給の老齢厚生年金
60~64歳の方は、一定の要件を満たすことで「特別支給の老齢厚生年金」を受給できます。
受給できるのは、下記の要件を満たした方に限られます。
- 男性の場合:1961年4月1日までに生まれている
- 女性の場合:1966年4月1日までに生まれている
- 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある
- 厚生年金保険等に1年以上加入していた
特別支給の老齢厚生年金には特例が存在し、受給開始となる年齢も生年月日によって異なります。
くわしくは日本年金機構のホームページや年金事務所等の窓口でご確認ください。
中には「特別支給の老齢年金がなく、65歳で年金をもらうまでの生活費が不安」という方がいるかもしれませんね。
この場合は、年金の受給開始を前倒しして、65歳よりも早く受け取る方法があります。それが「繰上げ受給」と呼ばれる制度です。
2.2 繰上げ受給
「繰上げ受給」とは、65歳になるのを待たずに年金を受け取り始めることができる制度です。
最大60歳まで前倒しできるものの、1ヵ月繰上げることに受給額が0.4%減額されることに注意しましょう。1年で4.8%、5年で24%も年金額が減ることになります。
減額は一生涯続くため、65歳になっても本来の年金額には戻りません。それでも早くに年金を受給したい方にとっては選択肢の一つとなりますね。
3. 59歳までに予習しよう!「年金請求書」とは?
年金を受給するには「年金請求書」を提出することが必要です。
年金請求書は「65歳の誕生日」の約3カ月前に、日本年金機構から郵送されてきます。
これまでの加入実績が記載されていますが、まれに内容に間違いや漏れがあることもあるため、記載内容があっているのか必ず確認しましょう。
あとは必要事項を記載して郵送、もしくは窓口に提出することで、年金の請求は完了です。
ただし「年金請求書を提出できるのは65歳の誕生日の前日以降」という点に注意しましょう。
提出可能時期が来るまでは、手元に保管しておかなければなりません。
また、60歳~64歳まで受給できる「特別支給の老齢厚生年金」を受給していても、65歳になったときには再度「年金請求書」を提出することを覚えておきましょう。
3.1 「年金請求書」郵送先や提出期限
【提出先】
- 年金事務所へ郵送
- 年金事務所や「街角の年金相談センター」の窓口に提出 のいずれか
【提出期限(特別支給の老齢厚生年金を受給中の場合)】
- 年金請求書が届く時期…65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの場合は前月の初旬)
- 年金請求書の提出期限…誕生月の末日(1日生まれの場合は前月末日)まで
【提出期限(はじめて老齢年金を請求する場合)】
- 年金請求書が届く時期…受給開始年齢に到達する3ヵ月前
- 年金請求書の提出期限…誕生月の末日(1日生まれの場合は前月末日)まで
4. 「年金手続き」は59歳になる前に知っておきたい
年金に関する手続きをまとめてきました。年金は申請制なので、請求しないと受給できません。さらに一般的には「65歳から」の受給ですが、60歳から受給することも可能です。
「知らなかった!」ということがないように、59歳までにしっかり予習しておきたいですね。
年金の請求は5年で時効を迎えるので、慌てないためにも事前に年金請求のフローを押さえておきましょう。
年金とあわせて重要なのが、「老後資金」です。日本年金機構の「知っておきたい年金のはなし」によると、今や年金だけで暮らす人は約5割にとどまります。
年金受給のタイミングで「年金だけでは収入が足りない」と気づくのでは遅いため、早めに目安額を把握しておきましょう。
今から年金受給開始までの期間を逆算し、年金で足りない分を貯めていかなければいけません。今のうちにしっかり準備を進めていきたいですね。
参考資料
- 日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金を受給するときの手続き」
- 日本年金機構「これから老齢年金を受給する方へ」
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 日本年金機構「はじめて老齢年金を請求するとき」
- 日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」

