生涯の中でもライフイベントの変化が特に多いのが30~40代でしょう。

結婚や子どもの人数に進学、住宅の購入など、その時々で夫婦の働き方や月々の生活費の変化は大きいものです。その分マネープランが立てにくいところや、急な変化に対応する必要が出てくる場面もあるでしょう。

一方で、現代の30~40代の貯蓄をみると、およそ4世帯に1世帯が貯蓄ゼロという現実があります。

今回は30~40代の貯蓄の実情をながめながら、ライフイベントでかかるお金についても確認していきましょう。

30代の3世帯に1世帯が「貯蓄100万円未満」という現実

今回は金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」より、まずは30代の貯蓄を見ていきます。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」を元にLIMO作成

30代の貯蓄分布

平均752万円・中央値238万円

  • 金融資産非保有:22.7%
  • 100万円未満:11.5%
  • 100~200万円未満:9.9%
  • 200~300万円未満:7.0%
  • 300~400万円未満:6.8%
  • 400~500万円未満:4.4%
  • 500~700万円未満:9.4%
  • 700~1000万円未満:6.7%
  • 1000~1500万円未満:6.4%
  • 1500~2000万円未満:4.1%
  • 2000~3000万円未満:3.7%
  • 3000万円以上:3.3%
  • 未回答:4.1%

内閣府男女共同参画局の「結婚と家族をめぐる基礎データ」によると、2019年の平均初婚年齢は男性で30.7歳、女性で29.6歳です。

30代はまだお子さんがいない家庭や、お子さんが乳幼児~小学生くらいまでのご家庭が多いでしょう。

年代的にもまだ若く年収が上がる途中であったり、乳幼児のお世話に手がかかるため、女性は働き方をセーブしたり、一時的に専業主婦になる方も多い年代です。

そのためか貯蓄の平均は752万円でしたが、より実態に近い中央値で見ると238万円でした。

約35%が貯蓄100万円未満となっており、家計に余裕のないご家庭も多いようです。