大学教授になるには、博士号を取得するのが王道です。大学卒業後に大学院へ進学するのはコストもリスクも大きいですが、就職して社会人大学院に通うという手段もあります(経済評論家、元大学教授 塚崎公義)。

【大学教授になるには】博士号があると圧倒的に有利

一般に、大学教授は「人間の価値は論文の質と量で決まる」と考えています。そして、彼等の合議体である教授会が新しい教授の採用を事実上決めるので、大学教授になるためには論文執筆履歴が決定的に重要です。査読論文(査読という審査をパスした論文だけを掲載する雑誌に載った論文)が重要ですが、それと並んで博士論文も重要です。

博士論文を書くには、大学卒業後に修士課程と博士課程に計5年間通う必要があり、金銭的にも労力的にも精神的にも苦労するわけですから、この経験をした人は「同じ釜の飯を食った仲間」と見なされるのでしょう。

最近、各大学の博士課程の定員が増えていることから、博士号取得者も増えています。一方で、教員の募集はそれほど増えていませんし、文系の博士は企業に就職することが難しいので、博士号取得者は皆が大学教員を目指すため、大学教員の倍率が上がっています。

したがって、博士号を持たずに大学教員になる事は容易ではありません。後述のように、不可能ではありませんが、原則として博士号が必要だと考えておいた方が良いでしょう。