年収400万円の暮らし。これからもできるのか

10年後、20年後、もっと先の未来に、今の400万円と将来の400万円が同じ価値ではないということを考えておかなければなりません。

世界で日本円の実力が下がり続けていることをご存じでしょうか。実力とは円と主要通貨を比較し、貿易量や物価状況を考慮して円の総合的な価値を計る「実質実効為替レート」で、この数字が約50年前の水準に落ち込んでいます。

実質実効レートの低下は円安と物価低迷が相まって円の対外的な購買力が下がっていることを示します。原油など国際商品価格も高止まりしており、小麦などの輸入物価の上昇を通して消費者としての負担が増すマイナス面も目立ってきています。

私たちの日常生活で多くの輸入品が使われており、急激なインフレが起こらないとしても、インフレの影響は長期的にはあらわれているのです。

結果、お金は減っていないのに、お金の「価値」が下がってしまうことで、知らず知らずのうちに資産が目減りしてしまいます。

身の回りのものを見ても日本だけということはないでしょう。海外製品の方が多いのかもしれませんね。資産も同じように日本円「だけ」で資産を保有し続けるのではなく、海外も含めて分散することが大切です。

今やネットでも少額から成長する海外への資産を持つことができます。全ての資産を日本円だけで保有するのではなく、外国通貨や投資信託を通じて海外の資産を「併せ持つ」ことが、最も資産価値を安定させることにつながるでしょう。

年収を維持できたとしても同じような生活ができるのかは、現役時代に準備ができたかによって変わってきます。資産運用を取り入れ、自身の未来の資産を守っていきましょう。

参考資料

齋藤 英里奈