年収400万円の暮らし。これからもできるのか
10年後、20年後、もっと先の未来に、今の400万円と将来の400万円が同じ価値ではないということを考えておかなければなりません。
世界で日本円の実力が下がり続けていることをご存じでしょうか。実力とは円と主要通貨を比較し、貿易量や物価状況を考慮して円の総合的な価値を計る「実質実効為替レート」で、この数字が約50年前の水準に落ち込んでいます。
実質実効レートの低下は円安と物価低迷が相まって円の対外的な購買力が下がっていることを示します。原油など国際商品価格も高止まりしており、小麦などの輸入物価の上昇を通して消費者としての負担が増すマイナス面も目立ってきています。
私たちの日常生活で多くの輸入品が使われており、急激なインフレが起こらないとしても、インフレの影響は長期的にはあらわれているのです。
結果、お金は減っていないのに、お金の「価値」が下がってしまうことで、知らず知らずのうちに資産が目減りしてしまいます。
身の回りのものを見ても日本だけということはないでしょう。海外製品の方が多いのかもしれませんね。資産も同じように日本円「だけ」で資産を保有し続けるのではなく、海外も含めて分散することが大切です。
今やネットでも少額から成長する海外への資産を持つことができます。全ての資産を日本円だけで保有するのではなく、外国通貨や投資信託を通じて海外の資産を「併せ持つ」ことが、最も資産価値を安定させることにつながるでしょう。
年収を維持できたとしても同じような生活ができるのかは、現役時代に準備ができたかによって変わってきます。資産運用を取り入れ、自身の未来の資産を守っていきましょう。
参考資料
齋藤 英里奈
執筆者
ファイナンシャルアドバイザー/1級FP技能士/宅地建物取引士
龍谷大学経済学部を卒業後、三菱UFJ信託銀行株式会社に入社。おもに富裕層顧客向けに、投資信託、生命保険を活用した資産運用の提案、資産承継に関するコンサルティング営業に従事する。豊富な金融知識を活かし同社のトップテラーとして活躍、1000世帯以上の資産運用に関する相談業務経験をもつ。現在は個人向け資産運用のサポート業務をおこなう。顧客の潜在的なニーズを汲んで、最良の方法を提案することが強み。1級FP技能士、宅地建物取引士、一種外務員資格を保有。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部 編集長室
LIMO編集部記者/元新聞記者
担当分野
金融と社会保障分野の専門知識を生かし、主に公的年金(厚生年金保険と国民年金)、公的年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、マイナンバー制度など幅広くカバーしている。
信頼性の高い情報源をもとに、政策の変遷や最新の貯蓄トレンドを掘り下げた記事も手掛けているが、難解な情報を分かりやすく伝えることを意識している。
また、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなど、多岐にわたるテーマについて企画・編集・執筆している。
経歴
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場の大手IT企業でキャリアを開始。
その後、厚生労働省の記者クラブにて約3年間、医療保険制度や介護・高齢者福祉に特化した社会保障の専門紙で記者として働いた。
ここで社会保障分野に関する深い知識と実務経験を積み、複雑な制度の解説や政策を分析するスキルを磨いた。
現在は、株式会社モニクルリサーチが運営するくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、金融と社会保障分野に特化した記事を執筆している。
スタンス
信頼性の高い情報をもとに読者の皆さんに実用的で分かりやすい内容を届ることを大事にしている。
厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)などの信頼性の高い官公庁の公開情報を基に、読者が日々の生活や将来の計画に役立てられるようなアドバイスを心掛けている。
単に情報を提供するだけでなく、実践的で信頼できるコンテンツを作り続けることを目指している。
最終更新日:2024年11月11日