〈マーケットサマリー〉
株式市場
高値圏にあるが、足元、原油高や国内インフレ懸念が相場の重しに
インド株式市場は高値圏で一進一退の展開ではあるものの、足元、原油高、国内インフレ懸念などが相場の重しとなっている(4月22日現在)。
HSBCアセットマネジメントの株式運用戦略
構造改革などを通じて中期的に堅調なインドの経済成長が期待出来ることは、株式市場にとり支援材料と考えられる。また、設備投資の持ち直しや融資の回復も同国経済、ひいては株式市場にとり追い風になると思われる。
但し、やや高水準にあるバリュエーション、インド金融市場における過剰流動性の吸収懸念などが株式市場に影を落とすこともあり得ると考えられる。さらに、原油高にともなう国内経済および企業収益への影響にも注視が必要と言えよう。
インド株式の運用では、持続的な収益成長性を有しながらバリュエーションに割安感のある銘柄を選別する。業種別には金融、不動産、ヘルスケアを選好し、公益事業、通信、エネルギー、生活必需品、資本財には慎重なスタンスをとっている。またインフラ関連銘柄は、モディ政権が推進するインフラ投資計画の恩恵を受けると見込まれる。
債券市場
軟調な展開が続く
インド国債市場は、2021年5月下旬から軟調な展開(利回りは上昇)が続いている。米国の長期金利の上昇、国内インフレ懸念などが債券市場の重しとなっている(4月22日現在)。
HSBCアセットマネジメントの債券運用戦略
原油高などによる国内インフレ率の上振れ懸念などが当面、インド債券市場に影を落とす可能性がある。
また、インフレ率がRBIの想定以上に上昇した際は、金融市場における過剰流動性の吸収などの金融政策の正常化が見られることもあり得ると考える。
中長期的に見れば、インド経済の優位性が相対的に際立つと思われる。こうした観点から、インド国債の比較的高い利回り水準は引き続き魅力的であると考える。
インド債券の運用においては、引き続きインドルピー建国債に重点を置いて投資を行っている。また、中期ゾーンのインドルピー建社債を選好している。
為替市場
インドルピーは対円で上昇、対米ドルで下落
インドルピーは2021年9月以降は、米国の金融政策の正常化などから米ドル高・円安が進行する中で、対米ドルでは下落、対円では上昇している(4月22日現在)。
インドルピー相場は、中長期的には、相対的に良好な経済ファンダメンタルズや高い金利水準、海外からの直接投資の拡大などが支援材料となり、堅調な展開が予想される。