2. WebサービスとテレビCMを投下するタイミング
基本的には、テレビCMは「多くの人に認知させたい」時に使われます。
しかし、インターネット広告と比べると効果測定が難しい傾向にありますし、認知させるためには一定期間以上放映し続ける必要があり、広告費も高額になるので、テレビCMを投下するタイミングには慎重にならないといけません。
実際、indeedも上陸から3年で、日本で一般消費者向けサービスを幅広く展開しているリクルート傘下に入りましたが、その後は5年間ほどGoogle検索トレンドもほぼ横ばいになっており、急激に認知が進んだわけではないようです。
やはり、一般層へ急激に浸透したのは2017年のテレビCM放映が大きなきっかけになっています。
このような動きになっているのは、リクルート傘下に入ってから5年間である程度サービスの改善を進めていたためと考えられます。
サービス改善の段階では、インターネット広告などを活用して、テレビCMよりは安価な予算を使って一定程度の流入を確保しつつ、求人への応募率や、掲載社数の増加など、サイト内で収益が得やすいよう改善を進めていく……というようなことを行います。
ある程度改善が進み、テレビCMを投下しても十分に利益が見込めると判断して初めて、テレビCMの出稿が本格化していきます。
テレビCMで放映されているWebサービスの裏側では、このような動きがある……ということを知ると、テレビCMを放映されている企業は「かなり儲かっていて、頑張っている」といってもいいことがわかります。
何の気なしに観ているテレビCMの見方も少し変わるかもしれませんね。
参考資料
- 株式会社ゼータ・ブリッジ「2022年3月度テレビCM放送回数ランキング発表 ~リクルートホールディングスの大量出稿の裏で 「NURO光」の着実な出稿が光る結果に~」
- Googleトレンド「indeed」
- 株式会社リクルート「米国Indeed Inc.の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ」
當瀬 ななみ