「年収600万円世帯」の実情

ここまでのデータをみると、「年収600万円」は決して低くはない水準です。ただ、「本当の貯蓄額」を見ると、余裕がある、とは言いきれないでしょう。

先ほどの総務省の家計調査報告では、年収600万円の世帯の世帯主の平均年齢は、年収600万円~650万円、650万円~700万円の世帯いずれも48.3歳。さらに、18歳未満の人が1名ほどいるという数値もあります。

つまり、大学にこれから進学予定の子どもがいる家庭が多いということ。自宅外の通学や私学、医歯薬学系などの専攻などを選んだ場合は、子ども1人につき学費も相当額が必要となるでしょう。

さらに、子どもが独立したあとは、自身の退職後について考えていく必要があります。

会社員や公務員の方は「定年退職金」も含めて、老後の資金計画を立てていらっしゃるかもしれませんね。

長引くコロナ禍で、私たちの「仕事」や「生活」を取り巻く環境の予測は誰にもできません。今現在の「年収」だけにとらわれず、予想外のアクシデントに耐えうる老後のマネープランをじっくり検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

齊藤 慧