【整備士が解説!】ハイエースを中古で買うときに気を付けたいポイント5選
ここからは、中古でハイエースを購入するときに注意したいポイントを、5つに絞ってお伝えしていきます。
【1】車検に対応する装備が備えられているか
1ナンバーや4ナンバーのハイエースバンは、普通乗用車ではなく普通・小型貨物車に分類されます。貨物車の場合、車検の合否が普通乗用車と異なり、貨物車ならではの装備が必要です。
中古で購入する場合、貨物車に必要な装備が取り外されて売られているケースも多いので、必ず確認してから購入しましょう。
【2】乗車定員と座席の確認
アウトドアなどの趣味や仕事で多く使用されるハイエースは、使用用途によってはセカンドシートを取り外してしまう方がいます。
しかし、車検に適合するためには、車検証と同じ人数分の座席が必要です。座席がない場合、購入して取り付けを行わなければなりません。中古の安いセカンドシートでも数万円の費用がかかり、余計な支出が増えてしまいます。
中古で購入する際は、必ず車検証の乗車定員の数と座席の有無を確認しておきましょう。
【3】セパレートバー(仕切り棒)の有無
ハイエースの車検において不適合になるケースが多いのは、セパレートバー(仕切り棒※)が装着されていないことです。
また、購入した時からセパレートバーが装着されていないケースも多く、車検では必ず必要になるため、装着の有無を確認しておきましょう。
※セパレートバー:荷台の荷物が荷崩れした場合などに、乗員を守るために装備されている部品
【4】貨物車専用タイヤ・ホイールの装着の有無
ハイエースバンの場合、最大積載量500キログラム以上になるため、ホイールにJWL-Tマーク(※)の刻印が表示されているものでなければなりません。また、タイヤに関してもLT(ライトトラック)タイヤが装着されていないと車検不適合となってしまいます。
タイヤ・ホイールともに、貨物車の規格にあったものが装着されていないと車検不適合になってしまうので購入の際は確認しましょう。
中古市場のハイエースは、カスタムされている車両も多く流通しています。しかし、カスタムされた車両が販売されていても、必ずしも車検に適合しているとは限りません。
カスタムされた車両を購入する場合は、純正部品が残されているのか、車検は適合なのかを確認しておくとよいでしょう。できる限りメーカーが販売している純正部品が装着された状態での購入をおすすめします。
※JWL-Tマーク:国土交通省通達「乗用車用軽合金製ディスクホイールの技術基準」が定める基準を満たしたホイールに表示されるマーク
【5】整備・メンテナンス履歴の確認
中古市場が豊富なハイエースは、何人ものオーナーを経てやってくることが想定されます。そこで重要なのが「過去にどのような整備がされており、メンテナンスがしっかりされているのか」という点です。
ハイエースに限らず、定期点検や車検、その他大きな分解整備を行った場合、整備記録簿やメンテナンスノートに記載しなければなりません。
メンテナンスノートを見るだけで、いつ(日付・走行距離)どこで(整備工場)どのような整備がされているのか、などがわかるようになっています。
特にディーゼルエンジンに使用されている燃料を噴射する部品インジェクターは、経年劣化などで故障してしまい、エンジンのなかでは高額な部品です。
走行距離10万キロを超えている場合は、交換されているのか確認をしておくとよいでしょう。
他にも10万キロを超えている場合は、エンジン内部のタイミングベルトやウォーターポンプ、エアコン関連の修理、発電機であるオルタネーターの交換の有無などを確認しておくと後にかかる整備の出費を抑えることができます。
定期点検や大きな整備が行われているのかなど、過去の大まかな内容を把握できるのでメンテナンスノートは必ず確認しておきましょう。