5. 独立・フリーランスの税金のデメリット④「もしものときの保障が薄くなる」
フリーランスや個人事業主になると、会社員時代にあった国の保障がいくつかなくなってしまいます。
その最たる例が、失業手当と傷病手当金です。
会社の業績不振により解雇されてしまったり、倒産してしまったりしたケースでは、失業手当が支給されます。
仕事以外の怪我や病気で働けなくなってしまった場合は、傷病手当金が支給されます。
どちらも期間限定ではありますが、生活を立て直すまで毎月、定期的にお金が入ってくるシステムは、大変心強いものです。
フリーランスには、これらの保障がありません。
不可効力で仕事がなくなったり、病気になったりした場合は、自らの蓄えで補うしかないのです。
毎月の収入の中から強制的にお金を貯めていかないと、万が一の状況が起こった際、生活がたちゆかなくなってしまいます。
民間の医療保険や就業不能保険などに加入している人もいますが、当然そのための保険料も発生します。
そのほか、会社員は申請できても、フリーランスでは申請できない給付金や手当などもあります。
6. 節税のためにフリーランスになるのはリスクが高い
ここまでお伝えしたように、国民年金や国民健康料に払うお金は、控除された金額と変わりません。
独立した初年度は、住民税もそれまでとあまり変わりません。
所得税は減らせるものの、その効果には限りがあります。
そして万が一の場合に備えて、毎月一定額のお金を貯めておく必要がでてきます。
私は以前、フリーランスのデザイナーさんから次のような言葉を聞いたことがあります。
「フリーランスや個人事業主は、自分ですべて税金なども払わなければならないので、会社員の2割以上多く稼いでトントンくらいですよ」。
会社員とフリーランスのお金の状況を総合的に検証すると、この言葉は真実だと思われます。
節税できることに魅力を感じてフリーランスや個人事業主に転向するのであれば、再度、検討したほうがよいでしょう。
参考資料
佐藤 敦規