大学の文系理系というと、不況時は理系志望者が増え景気が良い時は文系志望者が増えるというものがあります。

文系と理系のどちらが年収が高いのかという話もありますが、出身大学を特定したり大企業のみを対象にすると真の意味での「文系と理系の年収の違い」が見えてきません。

また、文系や理系の進路選択は子どものいる家庭にとって大きな関心事です。

今回は、出身学部によってどれだけ年収に違いが出るのかをみていきます。

文系理系による年収の違い

独立行政法人経済産業研究所が2011年3月に発表した「理系出身者と文系出身者の年収比較」では、慶応義塾大学が設計したパネル調査(一定期間の間に同じ対象者に同じ質問を行う調査)、「日本家計パネル調査(JHPS)」のデータを基に文系と理系の出身学部による年収の違いを検証しています。

文系出身の男性(平均年齢46.09歳)は年収559.02万円、理系出身の男性(平均年齢46.19歳)は600.99万円と理系学部出身者の方が年収が高い結果となりました。

一方、女性の文系出身(平均年齢44.67歳)は203万円、理系出身(平均年齢37.88歳)は260.36万円です。

理系出身の女性の平均年齢は約7歳下ですが、年収では文系出身の女性よりも57万円以上高いという数字が出ました。

このように、男女ともに理系学部出身者の年収が高いという結果になりました。

また、正規社員を比較した場合(男女計)でも理系学部出身者の正規社員は82.4%、文系学部出身者は60.1%と20%以上の開きがありました。