60代の貯蓄の実態とは
まずは、「二人以上かつ世帯主が60歳以上の世帯」の貯蓄状況をみていきます。
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、2020年平均の1世帯当たり貯蓄現在高の平均値は1791万円、中央値は1061万円となっています。
平均値は一部の「お金持ち」層によって引き上げられるため、「中央値」を参考にするといいでしょう。
では、貯蓄額の分布もみてみましょう。
60代二人以上世帯の貯蓄分布(割合)
- 100万円未満:9万8219世帯(7.21%)
- 100万円~:6万1007世帯(4.48%)
- 200万円~:4万4434世帯(3.26%)
- 300万円~:4万3110世帯(3.17%)
- 400万円~:4万2941世帯(3.15%)
- 500万円~:4万2055世帯(3.09%)
- 600万円~:4万2416世帯(3.11%)
- 700万円~:4万1486世帯(3.05%)
- 800万円~:3万7089世帯(2.72%)
- 900万円~:2万7395世帯(2.01%)
- 1000万円~:8万9261世帯(6.55%)
- 1200万円~:6万969世帯(4.48%)
- 1400万円~:5万4371世帯(3.99%)
- 1600万円~:5万1634世帯(3.79%)
- 1800万円~:4万2107世帯(3.09%)
- 2000万円~:10万9934世帯(8.07%)
- 2500万円~:10万456世帯(7.38%)
- 3000万円~:11万3721世帯(8.35%)
- 4000万円以上:25万9164世帯(19.03%)
上記を見ると、最も多い順に「4000万円以上」(19.03%)、「3000万円~」(8.35%)、「2000万円~」(8.07%)、「2500万円~」(7.38%)、「100万円未満」(7.21%)となりました。
4000万円以上の世帯でおよそ2割である一方、貯蓄500万円未満も同じく約2割となっています。
貯蓄には大きなばらつきがあるといえそうです。
次では、「無職の高齢者世帯」の貯蓄事情にフォーカスしていきます。